家事・育児・仕事をひとりで抱え込んだ女性の姿を描くスリラー『ワンオペレーション』がいよいよ劇場公開!
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病を抱える幼い娘や患者の対応など休む間もない女性が、アパートの天井崩落をきっかけに、限界まで追い詰められていく様を描く『ワンオペレーション』が9月18日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ワンオペレーション』は、本来は複数人で担うべき育児や家事、仕事を1人で背負う”ワンオペレーション”という現代の社会問題を題材に、追い詰められた主人公の日常とアイデンティティーが崩壊していく様子を没入感たっぷりに描いたドラマ。原因不明の病を抱える幼い娘の世話をしながらセラピストとして働くリンダは、顧客の患者への対応や、娘の担当医からの叱責、長期出張中の口うるさい夫からの電話など、息つく暇もない日々を送っていた。そんな中、自宅アパートの天井が突然崩落し、娘とともに海辺の格安モーテルで暮らすことを余儀なくされる。誰にも頼れない孤独な状況のなかでついに限界を迎えた彼女は、思いもよらない事態にのみ込まれていく。
本作では、『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』等のローズ・バーンが主人公リンダを鬼気迫る演技で体現し、2025年の第75回ベルリン国際映画祭で最優秀主演俳優賞(銀熊賞)、2026年の第83回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)を受賞、第98回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた。心理学の修士号を持つメアリー・ブロンスタイン監督が、重病の娘とモーテルで暮らした自身の実体験をもとに脚本を執筆し、生々しい現実感とブラックユーモアを織り交ぜた独創的な映像表現で描き出す。

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映画『ワンオペレーション』は、9月18日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や心斎橋のkino cinema 心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸等で公開。
配偶者のチャールズは長期出張中。セラピストとして顧客を抱えるリンダは家事に育児に、なかなか治らない病を抱えた娘の世話まで一挙に担っている…と云っても、既にキャパオーバー。出張中の配偶者も、娘の主治医も、同僚のセラピストも話を真摯に聞いてもらえず、心配や指摘は相手の立場を気にせず投げかけてくる。精一杯やっているつもりなのに、少しできていない部分を突かれ続けるリンダ。一時の不運で済むどころか、日を重ねる毎に彼女を取り巻く環境はエスカレートしていく。だが、ワンオペレーション。彼女は限界を既に超えている。
主演であるローズ・バーンの演技を執拗に浴び続ける2時間弱。負の連鎖が止まることはない。1人で全てを抱えた人の身に振り注いでいい不幸の数は限界を超えている。次第にやつれてボロボロになっていくリンダの姿は、見ているだけで居たたまれない気持ちになってしまう。救いの手を差し伸べているつもりの人や、正しいことを伝えて導こうとしてくれる人がいないわけではない。ただ、既に1人でボロボロになるまで戦ってきた彼女にとって、それは気休めにもならない。それどころか、冷静さを欠いた彼女にとっては攻撃として受けとめても仕方がないだろう。なぜなら、可愛い1人娘を救うために奔走しているのは自身しかいないからだ。周りで助言してくれる人や配偶者が悪いわけでもない。ただ、彼女が置かれている状況を理解しないまま、正論だけぶつけてくる人間がいると、悪気がなくとも辛いものだ。彼女は、話を聞いてくれる人が欲しかった。だから、途中で現れる青年に対して少し心を開いたかのように振る舞うのは、茶化しながらも話を聞いてくれるからなのだろう。
しかし、リンダを待ち受けるのは、ブラックユーモアが満載な不幸のオンパレード。何故こんなにも彼女にだけ不幸が降り注いでしまうのか。その理由も分からない。寝室の天井に空いた穴を覗けば何かが分かるのか⋯。本作はずっとリンダのことを映し続ける。リンダが対峙する人が映されることもあるが、娘の顔は直接映されない。声はずっと聞こえているが、映らない。リンダが視野狭窄になり、周りが見えていない、という表現のように見える。だが、同時に、娘のことを助けたい、と思いつつ、心のどこかでは、チューブが繋がった娘を見たくない、という気持ちを表現しているのかもしれない。とんでもない苛立ちの連続を見せつけられるが、寧ろ、”映画館”という自由が利かない場所の中で食らい続けてほしい。絶対に話を聞いてあげよう、と決意するはずだ。
fromブライトマン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















