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愛されず育った少年が破滅を願い、祈りが呪いに変わる有様を描く『しらぬひ』がいよいよ劇場公開!

2026年8月18日

©2026 片野坂 亮/しらぬひ製作委員会

 

1996年の夏の熊本を舞台に、10歳の少年が本当の願いにたどり着く姿を描く短編アニメーション映画『しらぬひ』が8月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『しらぬひ』…

1996年、夏の終わり。熊本の海辺の町に父と2人で暮らす10歳の少年である湊は、酒に溺れる父のもとで息を潜めるように生きていた。そんな彼にとって唯一の心の拠りどころは、弁天島に現れる少女の神さま・べんちゃんで、彼女と過ごすひとときだけが自分を取り戻せる時間だった。しかし湊は児童養護施設に入所することになり、べんちゃんとの別れの時が迫る。ひとつだけ願いをかなえてくれるという、海に浮かぶ不思議な光”しらぬひ”に祈りを捧げる湊だったが、父への憎しみが募るにつれ、その祈りは取り返しのつかない呪いへと姿を変えていく。

 

本作では、主人公である湊の声をあのさんが務め、声優の花澤香菜さん、三木眞一郎さんが共演。スーパーの鮮魚コーナーで働きながらフリーの映像作家として実写映画やアニメーション作品を自主制作してきた片野坂亮監督が商業アニメーション映画に初挑戦し、『君の名は。』『すずめの戸締まり』等のコミックス・ウェーブ・フィルムがアニメーション制作を担った。TVアニメ「ユーリ!!! on ICE」等で知られる作曲家・編曲家の梅林太郎さんが音楽、シンガーソングライターの青葉市子さんが主題歌を担当している。

 

©2026 片野坂 亮/しらぬひ製作委員会

 

映画『しらぬひ』は、8月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・九条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランドで公開。

九州の有明海や八代海で、旧暦8月1日(2026年では、9月11日)の夜半に見られる不思議な光の現象である、しらぬい(不知火)。漁火などが光の異常屈折(蜃気楼の一種)を起こし、無数の灯りが並んで見えることで知られている。そもそも、『日本書紀』に記述があり、”誰も知らない火”という意味で名付けられた。

 

本作では、10歳の少年である湊は、母親を失い、どうすることもできず酒に溺れている父親を憎み、その思いを呪いとして”しらぬい”に向けてしまう。その有様を36分という時間に凝縮して織り込まれていることに、驚きと衝撃を隠せずにはいられない。そんな作品を手掛けたのは、普段はスーパーの鮮魚コーナーで働きながら、たった1人で3年をかけて作り上げた自主アニメーション作品で業界関係者を驚嘆させ、デビューを掴んだ異色の経歴の持ち主である片野坂亮監督。本作では、原作・脚本・監督を一手に担い、40人程度で分担しながら描くラフ原画全325カット中、約3分の2を自ら担当しているのだから本当に驚くばかり。作画監督としても全カットに携わり、コミックス・ウェーブ・フィルムからの精鋭スタッフたちと作り上げた、とは彼の才能が見出された他ならないだろう。そこに、情感をたっぷりと込めたあのさんやベテラン声優さんの声によって命が吹き込まれたのならば、凄まじい一本が作り上げられた、と云う他ない。デビュー作でこのクオリティであるならば、次は長編作品を観てみたい、と今から大いに今後の活躍が楽しみだ。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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