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死を前にして燃え上がる男の執着と偏愛を描く『鍵』がいよいよ劇場公開!

2026年6月8日

©2026「鍵」製作委員会

 

余命宣告を受けた夫が、歳の離れた妻を部下と浮気させようと画策する様を描く『』が6月12日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『』…

工務店を営む剣持耕三は、医者から余命半年の宣告を受ける。歳の離れた妻である郁子を案じる彼は、部下の木村と郁子を浮気させようと画策し、木村と郁子の距離は徐々に近づいていく。自らの思惑通りに事が運んだものの郁子への思いを捨て切れない剣持は、身体の衰えとは裏腹に嫉妬心を募らせていく。そんな中、剣持が郁子の日記を盗み見ると、そこには木村の肉体に強くひかれる郁子の気持ちがつづられていた。

 

本作では、夫婦の日記を交互に示す手法で性の深奥を描いた谷崎潤一郎の長編小説「鍵」を、大胆なアレンジを加えたオリジナルストーリーで映画化。嫉妬心に身を焦がす不器用な主人公の剣持を吹越満さんがユーモラスに演じ、余命わずかな男性が歳下の妻に抱く執着心と純愛を赤裸々に描き出す。妻の郁子を『海の沈黙』の菅野恵さん、剣持の部下である木村を『愛のぬくもり』の小出恵介さんが演じる。『化け猫あんずちゃん』の脚本や『れいこいるか』等の監督作で知られるいまおかしんじさんが監督・脚本を手がけ、『真夏の果実』でもいまおか監督と組んだ松本稔さんが共同脚本を担当した。

 

©2026「鍵」製作委員会

 

映画『』は、6月12日(金)より全国の劇場で順次公開。関西では、7月10日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都、7月11日(土)より大阪・十三のシアターセブンで予定。

谷崎潤一郎の長編小説『鍵』は、読まれることを前提にして書かれた日記をお互い盗み読みする夫婦の愛欲の物語だ。谷崎の代表作の一つであり、翻訳も世界各国で行われており、これまで、外国版も含み6度の映画化、テレビドラマ化や漫画化もされている。そして、本作では、いまおかしんじ監督ならではの映画化だ。医者から余命半年の宣告を受けた男が、歳の離れた妻を部下と浮気させようと画策する、というのはオリジナルの要素であるが、谷崎作品ならではのマゾヒズム小説に描かれていてもおかしくない、と思わせてくれる。自らの思惑通りに事が運んだことは良かれど、妻への思いを捨て切れず、嫉妬心が募っていくのは、近年に映画化された谷崎作品とも共通しそうな変態性の境地だ。その可笑しさや共感性を楽しむことが出来る作品に仕上がっている。だが、いまおか監督作品であるならば、それだけでは終わらない。登場人物の視点を変えてみれば、そんなことが隠されていたのか、と驚くばかり。気づけば、いまおか監督作品の真骨頂へと至っているので、何故だか穏やかな心持ちで本作を観終えることが出来る。いまおか監督らしい作品であり、愛おしく思ってしまう。入口と出口が違う、と思えるような作品をじっくりと味わってほしい限りだ。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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