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韓国からカナダへ移住した親子の絆を16mmフィルムで描く『Riceboy ライスボーイ』がいよいよ劇場公開!

2026年3月31日

©2022 Riceboy Sleeps Production Inc.

 

1990年代のカナダを舞台に、カナダへ移住した未婚の母とその息子のアイデンティティの揺らぎと葛藤を16ミリフィルムで映し出す『Riceboy ライスボーイ』が4月3日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『Riceboy ライスボーイ』は、1990年代のカナダを舞台に、韓国から移住してきた母と息子の絆を16ミリフィルムの美しい映像で紡いだドラマ。恋人を亡くし未婚の母となったソヨンは、まだ赤ん坊の息子ドンヒョンを連れてカナダのバンクーバー郊外に移住する。工場で働きはじめたソヨンは、言葉や文化の壁、人種差別に直面しながらも、懸命に息子を育てていく。やがて16歳になったドンヒョンは英語名「デービッド」を名乗り、カナダでの生活にすっかりなじんでいたが、心の奥底では自身のルーツや一度も会ったことのない父の存在に思いを募らせていた。そんなある日、衝撃的な知らせを受けた母子は初めて韓国へ帰郷し、悲しみの過去と対峙することになる。

 

本作は、自身も8歳で韓国からカナダに移住した経験を持つアンソニー・シムが監督・脚本を手がけ、移民としてのアイデンティティの揺らぎや親子の葛藤と再生を、力強くも繊細に描き出す。韓国を拠点にダンサー・振付師・俳優として活動するチェ・スンユンが母ソヨン、ドラマ「アンブレラ・アカデミー」のイーサン・ファンが息子ドンヒョンの青年期を演じた。

 

©2022 Riceboy Sleeps Production Inc.

 

映画『Riceboy ライスボーイ』は、4月3日(金)より全国の劇場で公開。関西では、4月3日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都や神戸・三宮のkino cinéma神戸国際、5月15日(金)より兵庫・豊岡の豊岡劇場で公開。

幼くして孤児として育つことになったソヨン。独りで逞しく生きてきた彼女は、ある日恋に落ち、子供を授かる。しかし、その子の父親は自ら命を断つ。息子ドンヒョンをなんとか自分の手で育てていくために、カナダへ移り住む。ドンヒョンは父親を知らず、自分とは違う見た目の人が多く住むカナダで過ごす中、同級生からの言葉を受け、徐々に心をすり減らす。子供は無邪気に周りとの違いを言葉にするが、相手がどう思うかまで想像できていない。校庭で遊んでいる同級生に混ざろうと声をかけると「ライスボーイ」と呼ばれた挙げ句、つばを吐きかけられる。そういう時の対処法を母から聞いていたドンヒョンは少しやりすぎて手を出してしまう。喧嘩両成敗と思いきや、ドンヒョンだけ停学扱い。何事があっても暴力はいけないが、この状況においてもその判断が妥当なのか。ソヨンは引き下がらないが、ルールだからと冷たくあしらわれてしまう。世の中は理不尽だけど、それにしたって酷い。こんな経験を無数に受けてきたドンヒョンは、15歳になると周りに馴染むよう、浮かないように頭髪を金に染め、青いカラコンで自分を守る。

 

生まれも育ちも日本であろうと、理不尽に辛い思いをすることはある。ドンヒョンほどではないが、高校生の頃に大して仲良くない同級生にちょっかいを出されて腸が煮えくり返った記憶が蘇る。でも、心を許すことができ、話を聞いてくれる友人はいたし、趣味を通じて学校以外のコミュニティで過ごすことも増えた結果、どうでもいいと思える状況ではあった。でも、ドンヒョンは違う。高校生になると話のできる同級生はいるけど、白人に紛れることで心を騙しているように見える。1999年くらいだと、外部で同じようなルーツを持つ人とコミュニティを形成することも難しいだろう。そうなると、頼れるのは母親と、母親の仲の良い男性だけ。それは高校生にしたら少し気まずい。

 

一方、母親であるソヨンは、10年間休むことなく生活を維持するために必死で働いている。どうやら、仕事場でのコミュニケーションは、カナダに来た頃よりは良好になっているみたいだけど、周りにいる同じルーツを持つ人や、同じように現地の人達と距離感のある方々とは同じ温度感にはなりきれない様子。反抗期も含め、母と子供の溝が深くなりかけた時、あるきっかけで2人の距離が一気に縮まる。もっと話せていれば、とは思うが、必死で働く母とそれを見て迷惑をかけれないと思ってしまう息子のすれ違いは痛いほどわかるけど、歩み寄るきっかけがそんなことだなんて…家族の関係性は切っても切れない縁で繋がっているが、無理してつながることもないし、頼りたいときに頼ればいい。呪いにもなれば救いにもなる奇妙で複雑なもの。家族が絶対とは言わないけど、「信じてもいいかな」という距離感だけは維持したい。

fromブライトマン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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