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ナチス医師の罪と戦後逃亡の日々を描く『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』がいよいよ劇場公開!

2026年2月24日

©2024 CG CINEMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA

 

アウシュヴィッツで非道な実験を行った医師メンゲレが終戦後、身分を偽り南米で潜伏生活を続ける姿を通し、人間の悪の本質を描く『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』が2月27日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』は、アウシュビッツ強制収容所で人体実験を行った医師ヨーゼフ・メンゲレの知られざる潜伏生活と心の深淵を描いたドラマ。第2次世界大戦中、アウシュビッツ強制収容所で数々の人体実験を行い「死の天使」と呼ばれた医師メンゲレ。人類学者でもあった彼は優生学に取り憑かれ、子どもたちに想像を絶する実験を重ねたほか、ナチスが「非社会的」分子とみなした人々や多くのユダヤ人をガス室へ送り込んだ。終戦後、彼は極秘ルート「ラットライン」を使って南米へと逃亡。ナチス時代の仲間が次々と捕まるなか、メンゲレはモサドの追跡網を巧妙にくぐり抜け、歪んだ思想を持ったまま日常に溶け込んでいく。

 

本作では、フランス人作家オリビエ・ゲーズの世界的ベストセラー小説「ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」を原作に、『チャイコフスキーの妻』『リモノフ』の鬼才キリル・セレブレンニコフ監督が映画化。終戦後の潜伏生活を軸に、息子との対話やモサドによる追跡を交錯させながら、収容所での“過去”はカラー映像、“現在”はモノクロ映像で表現し、ナチズムに支配された男の狂気を冷徹な眼差しで描き出す。『名もなき生涯』のアウグスト・ディールが主演を務めた。

 

©2024 CG CINEMA / HYPE STUDIOS / LUPA FILM / CG CINEMA INTERNATIONAL / BR / ARTE FRANCE CINEMA

 

映画『死の天使 ヨーゼフ・メンゲレ』は、2月27日(金)より全国の劇場で公開。関西では、2月27日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、兵庫・神戸のシネ・リーブル神戸、奈良・橿原のユナイテッド・シネマ橿原、3月6日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。

途轍もない事が起きても人間はすぐ忘れる。忘れることで癒される心はあると思うが、それで得する大きい存在がいることもまた事実。第二次世界大戦という人類史上最悪の出来事だったとしてもすぐに忘れてしまう。忘れるだけならまだしも、自分に利があると分かればその悪を取り込んで使う人もいる。だからこそ、覚えていなきゃいけないし声を上げ続けなければならないと思う。もっとも、情報の伝達速度も倫理観も現代とは違うけど。

 

本作は、第二次世界大戦中、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で収容されてくる人を選別し、人体実験を繰り返したヨーゼフ・メンゲレの暗い逃亡潜伏の時期と、潜伏先に一度訪れた息子との時間をモノクロで撮った映画だ。
彼は戦争が終わってなお、ナチスの考えは間違っていなかったと言い続ける。一度信じたことを覆させるのはなかなか難しい。彼は自分だけが大罪人のように扱われることに対して不満をぶちまける。確かに納得いかないかもしれないけど、明らかに許されないことをしたは事実。

 

「ヨーゼフ・メンゲレ、往生際悪いな〜」と簡単に言えるかもしれない。だが、規模は違えど我々とそこまで変わらない言い訳な気がする。逃走潜伏中の日常も、普通の人間らしく過ごすことも多い。彼をよく知らない人の中には悪く思ってない人もいたらしい。つまり、そこまで変わらない人間だけど、社会の状況や周りの環境次第で誰しもそうなりうるってこと。これだけは胸に刻んでおくべきなんじゃないだろうか。自分はそんなことしないなんて言い切れるわけがない。だからといってヨーゼフ・メンゲレに同情の余地はないのだけど、ただ突っぱねるだけでは第二の、第三の…と繰り返すだけなのではないか。

 

同じはずの人間だけど、優生思想を信じたり、誰かのせいと言いたいためだけの”外国人問題”を殊更取り上げたり、戦争の責任を国ごと抱えたりしている時に、大きな声でそれらしいことを言い始めた人に希望を感じた結果、ユダヤの人々を人間とせず大量に虐殺した。国のためという大義が人間の視野を狭めていく。「指示されるまま実行しただけ」と思っているかもしれない。ヨーゼフ・メンゲレは生涯で起こした事実を反省することはなかったらしい。

 

モノクロがとても効果的に使われていた。風化させてはいけないからこそ、モノクロにすることで出来事が浮かび上がって見える。ヨーゼフ・メンゲレの逃亡という薄暗さにも思える。ある一点で使われるカラーとの対比も素晴らしい。彼の絶頂期でノリノリだった瞬間が現れると同時に、その出来事がいかに非道な行いだったか。見ている人の胸に突き刺さる。戦争を続けるロシアの映画監督がこれを撮る意義は大きいと思うし、今日本人がこれを見て何を思うのか、凄く気になって仕方がない。

fromブライトマン

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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