トラウマを抱えた音大生が、謎めいた雰囲気を持つ女性が奏でるピアノの音色に導かれ、運命的な出会いを果たす『言えない秘密』がいよいよ劇場公開!
©2024「言えない秘密」製作委員会
留学を経て音楽大学に編入したトラウマを抱える青年と、神秘的なピアノの音色を奏でる謎めいた女性の恋模様を描く『言えない秘密』が6月28日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『言えない秘密』…
ピアノ留学から帰国して伝統ある音楽大学に編入した湊人は、過去のトラウマのせいで思うようにピアノが弾けなくなってしまっていた。そんなある日、湊人は、取り壊しが迫った旧講義棟の演奏室で、神秘的なピアノを奏でる雪乃と出会う。美しい旋律に強くひかれた湊人は曲名を尋ねるが、雪乃は秘密だという。2人は自然とひかれ合い、湊人は雪乃の明るく純粋なピアノの演奏に触れるうちに、再び音楽と向き合うことができるようになっていく。かけがえのない日々を過ごす2人だったが、ある日突然、雪乃は湊人の前から姿を消してしまう。
本作は、アイドルグループSixTONESの京本大我さんと『偶然と想像』の古川琴音さんが共演したラブストーリー。アジア圏で大ヒットを記録した2007年の同名台湾映画を原案に、『かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦』の河合勇人監督がメガホンをとった。その他に『鯨の骨』の横田真悠さん、『彼女が好きなものは』の三浦りょう太さん、「ちはやふる」シリーズの坂口涼太郎さんらが出演している。
©2024「言えない秘密」製作委員会
映画『言えない秘密』は、7月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズミント神戸等で公開。
日本では2008年に劇場公開された台湾映画『言えない秘密』を、2020年代の日本映画として可能な限りのリメイク作品として、設定を一部変えながらも基本的なストーリーを大切にして、分かりやすく丁寧に作り上げた本作。自身が持つピアノの才能について限界を感じていた主人公は、どこか不思議なヒロインと出会い、改めてピアノと向き合っていく姿は好印象だ。彼女との仲を深めていく中で、自身の才能を確かめるためにコンクールに挑む成長譚としてもよく出来ている。そんな彼のいるヒロインの雪乃は、不思議な魅力をもっているが、観る者には徐々に違和感が伴ってきてしまう。結局、彼女はどういう存在として現れ続けるのだろうか。よくあるパターンの難病モノでもなさそうだ。…と思っていたら、少し斜め上の展開が待っていた。実は、本作は、そういったジャンルが混じり合った作品なの!?と驚かされてしまう。もう一度最初から丁寧に観たくなってしまう要素が含まれていたとは予想外だ。だが、それ故にいかに本作が切ない作品であるか、と気づかされてしまう。その刹那さは、今世紀以降の台湾映画がベースであることも大きいだろうか。諸々書いてしまったが、とにかく本作を観て、ここでは”言えない秘密”を是非とも確かめてほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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