運命に翻弄される愛を、息もつかせぬ映像と音で描き切る『ポーラX』が4Kレストア版でいよいよ劇場公開!
『ポンヌフの恋人』で知られるレオス・カラックス監督が放つ、人間の欲望と破滅を描いた背徳的ロマンス『ポーラX』が4Kレストア版で2月21日(土)より全国の劇場で公開される。
映画『ポーラX』は、フランスの鬼才レオス・カラックスが、『ポンヌフの恋人』から8年の時を経て発表した長編第4作。19世紀アメリカの作家ハーマン・メルビルが代表作「白鯨」の翌年に書き上げた長編小説「ピエール」を映画化。舞台を現代のパリに置き換え、運命に翻弄され絶望へと吸い込まれていく男女の激しく疾走する愛を、エモーショナルな映像と音で描き出す。ノルマンディの城館に暮らす小説家の青年ピエールは、母マリーや婚約者リュシーとともに裕福で満ち足りた田園生活を送っていた。そんなある日、ピエールの異母姉を自称するボスニア難民のイザベルが現れる。ピエールはイザベルの魅力に引き寄せられ、すべてを捨てて彼女とパリへ向かう。
本作では、ジェラール・ドパルデューの息子ギヨーム・ドパルデューがピエール、『パリ、18区、夜。』のカテリーナ・ゴルベワがイザベルをそれぞれ体当たりで演じ、ピエールの母マリー役でカトリーヌ・ドヌーブが共演。『そして僕は恋をする』等のエリック・ゴーティエが撮影を手がけ、シンガーソングライターのスコット・ウォーカーが音楽を担当。2026年2月、4Kレストア版にてリバイバル公開される。

映画『ポーラX』(4Kレストア版)は、2月21日(土)より全国の劇場で公開。関西では、2月21日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、3月6日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、3月11日(水)より京都・舞鶴のシネ・グルージャで公開。また、神戸・元町の元町映画館や和歌山のシネマ203でも近日公開。
1999年10月に日本の劇場で初公開される前、雑誌『CUT』が異様なまでに本作がPUSHしていたことを未だに憶えている。当時は田舎の高校生だったので、容易に公開されている劇場に向かうことが出来なかった。鑑賞した兄からは、そんなに狂気の作品ではない、と云われたことを憶えている。それ以降、ソフトを入手して観ることが出来ただろうが、記憶の片隅に置いておいたままだっただろうか。今回、ようやく初めて鑑賞することが出来た。城館に暮らす小説家の青年が、異母姉を自称する女性と出会い、それまでの立場を捨てて女性の行く末に身を委ねていく、レオス・カラックス監督らしい刹那的な物語である。たしか、『CUT』は近親相姦的な要素を異様にピックアップしていたような記憶があるのだが、あくまで異母姉を自称しているだけであるので、謳っている程には狂気の愛だと受けとめるのは人それぞれだろうか。解釈次第で如何様にも理解することが出来るストーリーであり、観る者によっては難解である、と云えるかもしれない。だが、カラックス監督作品ならではの映像の美しさには魅了されてしまう。それ故に、最終的には破滅に向かってしまっているようにしか思えないストーリーテリングには儚さを感じずにはいられない。寡作な監督の『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』『ポンヌフの恋人』という”アレックス青春三部作”を経て、一切をシークレットで撮影した本作に込められた作家性の変化をいま改めて劇場で堪能してみてはいかがでしょうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















