ろう者のクルド人少年を追ったドキュメンタリー『ぼくの名前はラワン』がいよいよ劇場公開!
©Lawand Film Limited MMXXII, Pulse Films, ESC Studios, The British Film Institute
耳の聞こえない少年の成長を描くドキュメンタリー『ぼくの名前はラワン』が1月9日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ぼくの名前はラワン』は、難民としてイギリスに渡った、ろう者のクルド人少年の成長を追ったドキュメンタリー。イラクで暮らすクルド人の少年ラワンは、生まれつき耳が聞こえない。ラワンが5歳の時、両親は国外への移住を決断。家族は数カ月を難民キャンプで過ごした後、支援者の協力を得て、ようやくイギリスの都市ダービーに安住する。その後、ラワンはダービー王立ろう学校に通えることになり、少しずつイギリス手話と口話を学び始める。みるみる上達するラワンは、やがて周囲と同じように手話だけで生きていく道を選ぶ。兄もラワンと意思疎通するため手話を学び始めるが、イラクでは手話だけでは人として対等に扱われないため、両親は息子の選択に不安を抱いていた。手話を嫌がる両親にラワンがいら立ちを募らせる中、一家が申請していた難民認定について内務省の審査が始まる。SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)やBFIロンドン映画祭などで高い評価を受けてきたエドワード・ラブレースが監督を務め、4年の歳月をかけてイギリス手話や周囲との友情がラワン少年を成長させていく姿をカメラに収めた。

©Lawand Film Limited MMXXII, Pulse Films, ESC Studios, The British Film Institute
映画『ぼくの名前はラワン』は、1月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
生まれつき耳の聞こえないろう者であるクルド人の少年ラワン。彼も、彼の兄ラワも幼い頃から「間違った星に生まれたのではないか。僕らに合う別の惑星があればいいのに。」と思いながら生まれたイラクで過ごす。イラクでは”みんなと違う”という理由で周囲からいじめられ、先生からは”家から出すな”と言われてしまう。両親は、”ラワンにとって生きにくい”と感じ、安住できる土地を目指し国外移住を決める。移住先のイギリスでは、ダービーの王立ろう学校に通い、イギリス手話(BSL)を学習し始めたラワンは、自分が外部とコミュニケーションを取れる言語を習得したことで本来持っていたラワンらしさを取り戻す。
生まれ故郷を離れる、というだけでも相当なハードルだ。イラクでの扱いを経たラワンは家族以外の周囲に対して塞ぎ込みがちだったが、イギリス手話を学び、自分の言葉を話して相手に伝わることが分かったラワンはどんどん活力を取り戻し、校庭で友達と走り回る。見ているコチラも心のそこから嬉しい気持ちになってしまう。
しかし、簡単に解決することばかりではない。過酷な旅の末に辿り着いたイギリスの地でも、悩みは尽きないのだ。難民としての扱い、両親の理解、自分のことを友達に語るということ。それら一つ一つに向き合う時、もうラワンは一人ではない。手話やドラムを教えてくれたソフィー先生の助言を受けたり、サッカーを楽しむフダイファーやルドルフといった友人と励まし合いながら課題を解決していく。特に友達との励まし合いは、男性同士の関係性としても見習いたいものがある。
2026年になっても、日本では、ろう者に対しても、クルド人に対しても、無理解な瞬間を多々見かける。自分自身を振り返っても、まだまだ至らない所だらけだと感じるばかりではあるが、この映画を1人でも多くの日本人に見てもらい、何かのきっかけにしてもらいたい。
fromブライトマン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

















