幻のカカオを追う長編ドキュメンタリー『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』がいよいよ配信!
100年前に絶滅したとされる幻のカカオを求める『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』が12月6日(土)よりAmazon Prime Videoで配信が開始される。
映画『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』…
1800年代後半~1900年代のエクアドルは、最高級のカカオ「Nacional」の生産に力を入れていた。フローラルでフルーティーな独特のアロマをもち、希少品種であったことから、ヨーロッパのチョコレート・メーカーがこぞって使用し、エクアドルは世界一のカカオ大国だった。しかし100年ほど前、エクアドルを襲った2つの風土病によって、そのカカオは絶滅する。ところが2007年、 Nacionalと全く同じDNAをもつカカオが、突然ペルーの山奥の小さな村で発見され大事件となった。「green bean to bar CHOCOLATE」代表の安達建之さんは、幻のカカオの謎を解くためペルーへ向かう。Nacionalを守りたい人、使いたい人、一儲けしたい人…。幻のカカオは、一体どこにあったのか?南米からアフリカまで赴き、制作に4年の歳月をかけた長編ドキュメンタリーがいよいよ公開となる。

映画『The Taste of Nature II 幻のカカオを探して』は、12月6日(土)よりAmazon Prime Videoで配信開始。
チョコレートやカカオに携わる方に関するドキュメンタリーはこれまでもいくつかの作品を拝見してきた。その中でも、特にチョコレートを愛し、カカオを作っている方を尊敬し、おいしいものを探求し続けているのが、安達建之さんなのだろうか、と思えてしまう。さらなる高みを目指し、まだ誰も見た事の無いチョコレートを追い求めていく姿は凄まじい。それは欲求以上に深い愛情があるからこそ持続できるものなのだ、痛感してしまった。故に、甘いだけじゃないチョコレートの世界を描いたドキュメンタリー作品であるのが本作だ。さらに、幻のカカオの謎を解くためペルーへ向かい、人知れずに作られてきたカカオは一体どのような代物であるのか。それは、どのような状況下において作られてきたのだろうか。そして、作り続けてきた人達は幸せであったのだろうか…と考えざるを得ないストーリーテリングも盛り込まれており、チョコレートやカカオを通して、知られざる世界を知ることが出来る。翻って、ものづくりを通して社会に還元することについても考えさせられた。SDGsという言葉だけでは留まらない持続可能な社会の行く末を映し出しており、配信サービスだけにしておくのはもったいない一作である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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