第38回東京国際映画祭コンペティション部門観客賞受賞に歓喜!『金髪』岩田剛典さんを迎え舞台挨拶付き先行上映会開催!
クラスの生徒たちが校則違反の金髪にしてきたことを皮切りに、30代の教師に数々の試練が押し寄せる『金髪』が11月21日(金)より全国の劇場で公開。11月5日(水)には、大阪・梅田のT・ジョイ梅田に三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんを迎え舞台挨拶付き先行上映会が開催された。
映画『金髪』は、日本独特のおかしな校則、ブラックな職場環境、暴走するSNSやネット報道といった社会問題を背景に、岩田剛典さん演じる大人になりきれない中学校教諭が、生徒たちの金髪デモに振り回されながら成長していく姿をシニカルに描いたドラマ。中学校教諭の市川が勤務する公立中学校で、担任クラスの生徒数十人が髪を金色に染めて登校してきた。生徒たちは校則への抗議だと主張し、学校中は大騒ぎになる。子どもじみた反抗と高をくくっていた市川だったが、活動の発起人である板緑に「なぜ髪を染めてはいけないのか」と問われ、「校則だから」としか答えることができないでいた。この騒動はネットニュースに取り上げられ、教育委員会や文科省、さらには総理大臣まで動き出す騒動へと発展。そのことを毎日愚痴っていた恋人の赤坂からは「あなたは子どもじみている」と説教をされて疎遠となり、市川は公私ともに窮地に立たされる。市川役の岩田さんのほか、⽩⿃⽟季さん、門脇麦さん、山田真歩さん、田村健太郎さん、内田慈さんらが顔をそろえる。監督は『決戦は日曜日』の坂下雄一郎さん。2025年の第38回東京国際映画祭コンペティション部門に出品された。
今回、上映前に三代目 J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんが登壇。直前に、本作が、第38回東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞。授賞式を生配信で観ていたところで「ミラクルが起きました」と湧き、歓喜の瞬間を迎えた。三代目 J SOUL BROTHERSのLIVEでも大阪によく来ている岩田さん。本作の舞台挨拶でも来阪できたことを喜んでいる。大阪では、551HORAI蓬莱の豚まんがお気に入りで、今回も帰る途中で買うことを楽しみにしていた。
今回、意外性のある中学校教諭を演じているが「職業としては教員役でしたけども…決して学園モノでもなければ、先生のお話が展開されるわけでも全くなく…」と述べ「脚本を読ませていただいた時、肩書きだけ教師…実際は…ストーリーの軸はそこじゃなく…とにかく脚本力に圧倒された。この脚本と役でオファーをいただけたことがすごく嬉しいな、と。この作品を任せていただける…と制作陣に思っていただいたことが、心がすごく嬉しかったことを覚えていますね」とネタバレに配慮しながら、オファー時を振り返る。とはいえ、教師役は初めてであったが「別に指導するシーンとかは特にないので…」と再度ネタバレに配慮しながら「前日まで髪が明るかったので、前日の夜に武道館で黒染めをしてクランクインした」という1年半にあった裏話を披露していく。演じた市川について「すごく共感できる部分が沢山あるキャラクターでしたね」と話し「この作品は、金髪デモが起きて…問題提起になっていくんですけども、世代間のギャップ鋭い切り口で描いている作品だと思います。ここにいらっしゃる皆さん、おそらく全員共感していただけると思います」と言い切った。日常に感じる世代間ギャップについては感じていないようだが「これが危ない予兆だな、と思いますね。気づけば、後輩の方が多くなってきてしまったんです。後輩と話していて、ジェネレーションギャップを感じることがなく、いつぐらいから感じ始めるんですかね。 60歳ぐらいですかね」と謙遜しながらも気にしているようだ。そして「皆さんの日常の中で、どんな職場でも、今までのどんな人生の中でも、話のオチがない人がいましたよね。言葉数は多いんだけど、着地しない人がいますよね…そういうシーンが沢山あります」とネタバレを気にしながら、おススメのシーンを伝えた。なお、市川はよく喋るキャラクターであり「台本のト書きを全部合わせて7割近くが市川のセリフなんですよ。 だから、一作品でここまでの文字数を喋ったのは映画では初めて」と思い返していく。

撮影現場では、生徒役を演じた沢山の若手俳優と一緒になったが「学校ロケの日は、当然ですけども、出演者では僕が最年長という、久しぶりな現場でした。なおかつ、本当の中学生や高校生の俳優さんが集まっているので、休み時間とかカメラが回ってない時、”期末テストどうしよう”みたいな話をずっとしているわけですよ。僕としては、”どういうこと!?”。若いのに、こんな大人の現場で朝から晩まで撮影して… どういう感覚で過ごしているんだろうな」と驚きと心配する気持ちがあり「”期末テスト”という言葉自体を聞くのも何十年ぶりぐらいな気持ちだった」と振り返りながら、ジェネレーションギャップを感じたようだ。とはいえ、1ヶ月半に及ぶ撮影の中で学校での撮影は4日程度で「ずっと僕が出続けてる映画ですので、出てなシーンがほとんどないので、皆さん2、3日でオールアップしていかれるんですよね。だから、1日の分量は結構あるので、現場で芝居しながら余談するぐらいのコミュニケーションしかなく」と明かし「唯一、白鳥玉季さんが板緑役を演じるんですけど、話しましたかね。それぐらいな感じ。でも、玉季ちゃんはお芝居が素晴らしいですけど、普段は少女ですよ。ゲームの話をして…僕も期末テストのアドバイスをしました。もうすぐ受験なんです、受験前に最後の作品です、と言っていた」と振り返った。結局、1人で過ごし孤独を感じた現場ではあったが「台詞量がとんでもなかったので、集中できましたね。 意外と余裕がなかった。監督もミステリアスな方だったので、あまり会話をすることなく、お互いの距離を保ちながら撮り終えた」と実感している。作中、市川は度々窮地に追い込まれて”詰んだ”瞬間を迎えてしまう。そんな市川に準えて、自身が”詰んだ”瞬間について、最近、外国で携帯電話を失くしたことを明かした。タクシーの中で置き忘れてしまったようだが、運転手に繋がることができ、マネージャーと連携しながら、最終的に空港まで届けてくれたようだ。
そして、今回は本作の公開を記念し、大阪で“金髪”・“金(ゴールド)”といえばビリケンさん…ということで、“金髪”になった大阪の神様ビリケンさんが登場。「関西らしいですね」と苦笑しながらも驚き、通天閣に訪れたことがなく、初めて本物のビリケンさんを見て感激していた。最後に、改めて、第38回東京国際映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞したことについて「撮影当初は全くそんなことになるとは思いもしていないので…コンペティション部門という、世界で20数作品しかない中、日本から二作品を選んでいただいた中の1つにノミネートされること自体もありがたい。ホントに予期しないサプライズでした。 なおかつ、今日の発表があるということで、坂下監督もスタンバイしていることもリアルタイムで伺っていました。上映期間の中でご覧いただいた皆さんの声が大きかったからこそ、いただけた賞だと思います。だから、一番嬉しいです」と喜びを込め、舞台挨拶を締め括った。
映画『金髪』は、11月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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