ドラムを叩くと誰かが死んでしまう謎の猿のおもちゃに翻弄される『THE MONKEY/ザ・モンキー』がいよいよ劇場公開!

©2025 C2 MOTION PICTURE GROUP, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
一家離散の原因となった猿の玩具が、25年の時を経て再び牙を剥く『THE MONKEY/ザ・モンキー』が9月19日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』は、死を招く猿のおもちゃに狙われた家族の凄惨な運命を、コミカルかつポップに描き出す。双子の少年ハルとビルは亡き父の持ち物から、ゼンマイ式のドラムを叩く猿のおもちゃを見つける。その頃から双子の周囲では不慮の事故死が相次ぎ、最初はシッターのアニーが、次いで母が亡くなってしまう。いずれも死の直前に、猿のおもちゃがドラムを叩いていたことから、猿が2人の死に関係しているのではないかと考えたハルは、猿を切り刻んで捨てるが、いつの間にか元通りの姿で戻ってくる。その後、双子を引き取った伯父も狩りの事故で異様な死を遂げ、双子は猿を枯れ井戸へと葬った。それから25年後、一度は結婚し息子をもうけたハルだったが、また猿が戻った時のことを考え、家族と距離を置き、ビルとも疎遠になっていた。しかし今度は伯母が事故死し、ハルは猿が戻ってきたことを確信する。
本作では、スティーブン・キングの短編ホラー小説「猿とシンバル」を、『ロングレッグス』のオズグッド・パーキンス監督が映画化。『ダイバージェント』シリーズのテオ・ジェームズが成長した双子を1人2役で演じ、タチアナ・マズラニー、イライジャ・ウッドが共演。『M3GAN ミーガン』『ソウ』シリーズのジェームズ・ワンが製作に名を連ねた。
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映画『THE MONKEY/ザ・モンキー』は、9月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の kino cinema 神戸国際等で公開。

ドラムを叩く猿のおもちゃのゼンマイを回すと、どこからともなくピタゴラスイッチの如く死を招いていく。そんな恐怖のおもちゃに狙われてしまったら…本作を観た方は、猿のおもちゃを見かけてしまった方は卒倒してしまうだろうか。冒頭で描かれていく死を招く様子を見ていると、猿のおもちゃが周囲に何らかの影響を与えてしまうんだろうな、と思ってしまう。それは、まるで死のピタゴラスイッチのような。主人公が幼い頃から遭遇していく周囲の人物に関する死の出来事を観ていると、忍び寄る恐怖に怖気づいてしまうしかない。しかし、翻って主人公は猿のおもちゃに守られているような錯覚すらも感じてしまう。いや、猿のおもちゃのご機嫌に逆らうようなことをしでかしてしまうと、返り討ちの如く死に直面するだろうか。最終的には、死を招くエリアは拡張し過ぎていくので、これはもはや、猿のおもちゃによる恐怖なのか、偶然が招いた死の積み重ねなのか、判断できなくなってしまう。まさに、死のピタゴラスイッチとしか表現しようがない。本作が、スティーブン・キングの短編ホラー小説による原作であることも意外だ。近年では、どちらかといえば、行方不明の子どもを題材にした作品がよく映画化されてきた。今回は、家族の喪失も描いている作品の映画化であることから、或る種の多様性も感じる。スティーブン・キングの短編ホラー小説は他にも多々あるので、今後の映画も大いに楽しみにしておきたい。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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