農林水産に関する作品でありながら、心温まるエンターテインメント!『種まく旅人~醪のささやき~』菊川怜さんと篠原哲雄監督を迎え舞台挨拶開催!

農林水産省の官僚として兵庫県淡路島を訪れた女性の姿を通して、日本酒と酒米に関わる人々の精神や、現場が抱えている様々な問題を描く『種まく旅人~醪のささやき~』が10月10日(金)より全国の劇場で公開される。8月30日(土)には、大阪・関西万博 関西パビリオンに菊川怜さんと篠原哲雄監督を迎え舞台挨拶が開催された。
映画『種まく旅人~醪のささやき~』は、農業や漁業といった日本の第1次産業を応援する映画「種まく旅人」シリーズの第5作。兵庫県淡路島でつくられる日本酒と、兵庫県を代表的な産地とする酒米である山田錦を題材に、関わる人々のものづくりの精神と現場での課題を描く。日本酒を愛する農林水産省官僚の神崎理恵は、日本酒産業の現状を知るため、淡路島の老舗酒蔵である千年一酒造へ視察に訪れる。そこでは、伝統的な手法を貫こうとする蔵元の松元恒雄と、新しい方法を取り入れようとする息子の孝之がぶつかりあっていた。蔵人の中には藤原夏美ら若手の姿もあるが、杜氏の草野は後継者を育てることに焦りを募らせ、他の蔵人たちとの間に誤解が生じていた。理恵はさまざまな課題を目の当たりにし、日本酒を守るための解決策を模索する。その矢先、千年一酒造に海外からの事業買収の話が舞い込む。菊川怜さんが主人公の理恵役で15年ぶりに映画に出演し、千年一酒造の息子である孝之を金子隼也さん、酒づくりに高い志を持つ若手蔵人の夏美を清水くるみさん、理恵の前任である元農林水産省官僚の岡村武を朝井大智さんが演じた。監督は、2015年のシリーズ第2作「種まく旅人~くにうみの郷~」も手がけた篠原哲雄さんが務めている。
『種まく旅人』シリーズについて、篠原監督は「日本の様々なところの第一次産業を応援する」と説き「菊川さん演じる農林水産省の調査員がかの地に行って、そこでの問題点を見つけることがまず大前提のテーマなんです。淡路島は山と海に囲まれて、美しいところがたくさんあるし、農産物や海産物がたくさんある」と挙げていく。シリーズ第2弾『種まく旅人~くにうみの郷~』を撮っており「今回は、お米からお酒が作られていく過程を丁寧に撮りたい。 淡路島に千年一酒造という素晴らしい古き良き酒造さんがあり、今度はここで撮りたかった。そして、兵庫県は、酒米を作る、という重要な要素があったので、結びつく映画が作れるんじゃないか、ということで、今回は兵庫県と淡路島を舞台に撮らさせていただいた」と経緯を語った。
昨年9月、淡路島で2週間にわたり撮影を実施。菊川さんは、撮影で初めて淡路島を訪れ「居心地がすごく良かったんですよね。 ほっとする、というか…ワクワクもしつつ。そういう環境の中で2週間を過ごしながら撮影できたのは、映画の中にも反映されていると思うので、すごく嬉しかったです」と当時を振り返る。日本酒作りがテーマである本作について「丁寧に描きたい、という思いで皆さんがやっている。 千年一酒造という素晴らしい酒蔵で撮影させていただけたことに本当に感謝しております」と伝え「製造過程も本物。本当にお米に麹菌を振りかけたり、発酵してぐつぐつしているところをリアルに見たので、おお!という感動がすごくありました。本当に素晴らしい体験でした」と印象深げに話す。とはいえ「狭い密室で蒸す中で大きなカメラが入り、スタッフさん、照明さん、役者さんと皆ひしめき合って撮るので、かなり熱い中で撮っていた」といったことも印象的であり「そんな中で支え合って皆の結束力が高まったかな」と受けとめている。なお、お酒が元々大好きであり「成年になってお酒が飲めるようになった時、大学の先輩に日本酒居酒屋に連れてっていただいて、様々なお酒を試して飲み、お酒はこんなに味がバラエティ豊かで違うんだ、と初めての体験でした。各地の持っているエネルギーを感じて、日本各地にロケも行く楽しみもあるな」と嬉しそうに話していく。だが、撮影中にお酒は飲めなかったのは心残りだったようで「普段に飲んでいる味を思い出しながら、やりました」と明かした。
そして、兵庫県の斎藤元彦知事が登壇し「兵庫県は山田錦の発祥の地であり、日本でも最大の産地になっています。日本酒は兵庫県を。代表する地場産業になっていますから、それをテーマにしたことは本当に光栄です。地方は人口が減少し、産業が厳しい状況になっている中で、映画という形で取り上げていただくということは、各地の皆さんにとっても大変励みになりますし、力になってきます。映画の力は本当に大事なものかな、と思います。 ぜひ、素晴らしい映画として多くの皆さんに知っていただけるように、観ていただけるように、と我々も思いますので、よろしくお願いします」とご挨拶。また、本作を拝見し「お米作り、酒作りの営みや大切さ、それを官僚という視点から取り上げている。 そして、兵庫県の代表的な産業である日本酒について取り上げていただいてることは本当に感謝申し上げたい」と伝えた。
今作に携わり、菊川さんは「第1次産業を応援する、という大事な意義深いテーマの作品に携わらせていただいたことが光栄で、とてもやりがいのある映画だな」といった気持ちがあると共に、撮影を通して「食べることは、すごい喜びだし、すごいエネルギーだし、それが明日への活力になるなぁ。ほんとに大事だなぁ」と原点に立ち返って改めて認識していた。また、日本酒が届けられるまでの過程を知り「たくさんの人が手をかけて、手間暇かけて、苦難を乗り越えて、愛情をかけて、美味しく作られて、目の前にあることに思いを馳せて頂くことで、美味しく感じられるし、感謝の気持ちを生まれる。そして、これを守りたいし、これからも続いてほしい、という願いにも繋がっていく。食を通して様々なことが学んでいるなぁ、と思ったので、皆さんにメッセージとして感じていただけたらすごく嬉しいな」と思いを込めていく。なお、撮影は過密なスケジュールで余裕がない日々だったようだが、早く終えた際には、美味しい海の幸を堪能したようだ。
また、作中で描かれている後継者に関する題材について、篠原監督は「昔から代々受け継いでいると、父親の世代と息子の世代が作り方の違いで色々葛藤していくんです。そこには多少なりとも親子の感情がある」と述べ「この親子の2人に、彼女が、父親にはこういう言い方、息子にはこういう言い方をしていて、様々な話の機微がおもしろくできています。菊川さんの女優さんとしての魅力が現れているんじゃないか、と僕なりに思っていましたので、ぜひ観ていただきたいな」と伝えていく。
最後に、篠原監督は「兵庫県ではかなり大きな規模で上映していただくお話になっておりますので、農林水産に関する堅そうなお話でありつつ、実はエンターテイメントな心温まるお話になっておりますので、楽しんでいただければ」とメッセージ。菊川さんは「映画のタイトルが『種まく旅人~醪のささやき~』とあるように、種をまいた旅人である理恵がどういう風にその土地の住む人々と交流して、その人達の心に種をまいて、どういう形で実ったか、がヒューマンドラマとして心温まるエンターテインメントとして仕上がっておりますので、ぜひ楽しんでいただけたら」と思いを込め、舞台挨拶を締め括った。
映画『種まく旅人~醪のささやき~』は、10月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条、そしては、兵庫では、西宮のTOHOシネマズ西宮OS、明石のイオンシネマ明石、加古川のイオンシネマ加古川、神戸の元町映画館、淡路島・洲本の洲本オリオンで公開。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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