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女たちの迷宮へようこそ…『LABYRINTHIA/ラビリンシア』がいよいよ劇場公開!

2025年8月12日

©SAWLLOW FILM PARTNERS./©2018 HANA/©CONFESSION Film Partner.

 

永遠の若さを求める女優、高級マンションでベビーシッターをする大学生、罪の告白をしに教会を訪れた女性が恐怖に巻きこまれていく『LABYRINTHIA/ラビリンシア』が8月15日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『LABYRINTHIA/ラビリンシア』…

女優としての成功にすべてを注ぐ雪蘭は、10年前から変わらぬ美貌を誇る女優仲間に誘われて参加した招待制の晩餐会で、狂気の渦にのみ込まれていく(第1話「SWALLOW」)。

©SAWLLOW FILM PARTNERS.

 

大学生のスジンは、高級マンションに暮らす4歳の女の子ハナのベビーシッターとして雇われるが、ハナの周りで次々と不思議な現象が起こりはじめる(第2話「HANA」)。

©2018 HANA

 

自身の犯した罪を告白したいという女性の願いを聞き入れた神父を待ち受けていたのは、穏やかな世界を根底から揺るがす不穏な真実だった(第3話「告解」)。

©CONFESSION Film Partner.

 

 

本作は、米バラエティ誌が選ぶ新鋭日本人監督10人のひとりとして紹介されるなど、世界から注目を集める中西舞監督が、アジア各国で撮影した3本の短編心理スリラーを集めたオムニバス映画。初監督作である「HANA」は韓国、「SWALLOW」は台湾、「告解」は日本で撮影された。「SWALLOW」にはNetflixドラマ『返校』の韓寧と『I(アイ) 人に生まれて』の陳雪甄、「告解」には『岬の兄妹』の和田光沙さんと『SR サイタマノラッパー』シリーズの水澤紳吾さんが出演している。

 

映画『LABYRINTHIA/ラビリンシア』は、8月15日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。なお、8月16日(土)には、テアトル梅田とアップリンク京都で上映後に和田光沙さんと中西舞監督を迎え舞台挨拶を開催予定。

本作は、3本の短編心理スリラーを集めたオムニバス映画ということもあり、各作品を観ていると、次第に得体の知れない出来事が待ち受けている、と感じ、ゾクゾクとさせられてしまう。そして、その感覚を持続させるために、具体的に何が起こっているか、あえて詳細まで映し出すことをせず、観る者の想像力に委ねている描き方を多用している。そんな”ひょっとして、これは…”と想起させることが、本作ならではのスリラー作品らしい醍醐味となっていた。第1話の「SWALLOW」については、美貌を維持させるために、とあるものを飲み込むのだが、そのグロテスクな姿を見せることはしない。真相に気づかされた時には、或る種の安堵があるのだが、安堵のままにさせないオチがさらなる狂気でもあるのが注目だ。第2話の「HANA」についても、高級マンションに暮らす4歳の女の子ハナに何があったのか、具体的には示さない。だが、その片鱗を見せるだけでも、なんらかの事態を想起させていく。そして、一番の狂気はハナの母親だろうか。第3話の「告解」は、既存の手法ではない告解の見せ方がおもしろく、画作りとしても魅力的だ。神父ならではのスリラー体験であり、水澤紳吾さんをキャスティングした時点で作品が成功している、といっても過言ではない。どの作品も現代を生きる女性の闇を描いており、新鋭日本人女性監督ならではの着眼点が興味深く、長編作品ならどのような作品が出来上がるのか、とても楽しみだ。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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