映画づくりを通して成⻑していく高校生達の日々を描く青春映画『親友かよ』がいよいよ劇場公開!

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転校生のペーが、不慮の事故で亡くなった隣の席の生徒の友人だと偽り、周囲を巻きこんで故人を偲ぶ映画を作っていく『親友かよ』が6月13日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『親友かよ』は、映画づくりを通して成長していく高校生たちのかけがえのない日々をつづったタイ発の青春ドラマ。高校3年生のペーは転校先の学校で人懐っこいジョーと隣の席になるが、ジョーは不慮の事故で亡くなってしまう。ペーはジョーの遺品の中に彼が書いたエッセイを見つけ、それがコンテストで受賞していたことを知る。ある日、短編映画のコンテストに入賞すれば学科試験なしで大学の映画学科に入学できると知ったペーは、自分はジョーの親友だと偽り、ジョーのエッセイを利用して彼を偲ぶ短編映画を制作することに。ジョーの本当の親友であるボーケーや映画オタクたちも加わり、学校全体を巻き込んで映画撮影が進んでいくが、やがてペーはジョーの思いがけない秘密を知る。
https://www.youtube.com/watch?v=g8ExpKJ3ujs
本作では、『ふたごのユーとミー 忘れられない夏』のアンソニー・ブイサレートとティティヤー・ジラポーンシンが再共演を果たしている。『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のバズ・プーンピリヤ監督が製作を手がけ、CMやMVを手がけてきたアッター・ヘムワディー監督が長編映画初メガホンをとった。
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映画『親友かよ』は、6月13日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月13日(金)より大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマや兵庫・尼崎のMOVIXあまがさき、6月20日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、6月21日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。

昨年、2024年の第19回大阪アジアン映画祭での日本発上映の機会に本作を観た。最後まで観終えた頃には、言葉にはし難い多幸感でシアター内が満たされたような気分になって拍手を続け、監督とプロデューサーの登壇を迎えたことを今も憶えている。
本作の主人公は、転校して1ヶ月しか経っていない中で席が隣だったクラスメイトを亡くしたが、言わば利己的に親友だと謳い、彼を偲んで映画作りに励んでいく。観る者によっては好きになれない主人公ではある。だけれども、完全には憎めないキャラクターかもしれない。清廉潔白過ぎるキャラクターならばリアリティがなさ過ぎるので、欠点がどこかにある人物である方が現実的だ。今作において映画作りに励む高校生達は、そんな人間味あふれる愛らしいキャラクターばかりなので、気づけば応援したくなってしまう。映画作りにおいても数々の映画へのオマージュが溢れていながらも、高校生だからこそのアイデアによる低予算な撮影手法で取り組んでおり、観客としても完成した作品が楽しみになってしまう。だけれども、元にしたクラスメイトの作品についても、予想だにしていなかった秘密が隠されていた。この秘密にまつわる出来事を知らされていくにつれ、皆の純粋な思いや複雑な心境に至ったことに気づかされ、青春時代の思い出が解きほぐされていくようで、ノスタルジーな気分になってしまう。そんな喜怒哀楽の要素がたっぷりと詰め込まれた青春エンターテインメント作品が本作である。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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