NBAを目指す青年が運命に翻弄される『ウリリは黒魔術の夢をみた』がいよいよ関西の劇場でも公開!

黒魔術を信じる母親のもとに生まれ、NBAスターの名を背負った息子の運命をモノクロで描く『ウリリは黒魔術の夢をみた』が4月12日(土)より関西の劇場でも公開される。
映画『ウリリは黒魔術の夢をみた』は、フィリピンにおけるアメリカンドリーム=バスケットボール(NBA)での成功を黒魔術でかなえようとした母の強い愛と、運命に翻弄された息子の物語を美しいモノクローム映像で描いたフィリピン映画。ピナツボ火山の大噴火がフィリピン全土を揺るがした1991年、カルメンという女性とアメリカ人男性との間に赤ん坊が生まれる。カルメンは自分たちが大噴火を起こしたと信じるカルト集団の黒魔術に導かれ、息子に「プロのバスケ選手としてNBAで活躍する」運命を授け、自身の命を日本車ギャランに捧げる。NBAのスター選手の名を借りて「マイケル・ジョーダン・ウリリ」と名づけられた子どもは、才能あるプレイヤーへと成長。伝説の背番号「23」を背負い、恋人との肉欲とバスケ賭博に明け暮れる青春を過ごしていた。そんな中、ウリリにアメリカ行きのチャンスが舞い込むが、悪夢のような出来事が次々と降りかかる。
本作で監督を務めたのは、フィリピンで新時代のアーティストとして注目を集めるティミー・ハーン。イヴ・バガディオン、バーバラ・ルアロ、エイドリアン・ヴェルガラ、マーカス・アドロらが出演した。
映画『ウリリは黒魔術の夢をみた』は、関西では、4月12日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場や神戸・元町の元町映画館、5月9日(金)より京都・出町柳の出町座で公開。

黒魔術を使って、夢をかなえる!?呪文や所作といった何らかの物を用いて意図的に他者に危害を加えようとする技術でもあるため、危険を伴う魔術である…そんな術を使って夢をかなえようとするのは、もはや愚か者であるようにすら感じてしまう。翻って、それだけかなえたい夢があるというのは、儚いことであろうか。本作の場合、主人公が幼き頃に、母親が黒魔術を使って、息子のNBAでの成功を願った…って黒魔術を使って成功するなら誰でも成功するでしょ…でも、実際は…ということですね。息子は、バスケットボールの練習に励んでいくが、試合では上手くいかない。道を外していくばかりで、周囲にも良からぬことが起こり続けていく。とはいえ、微かな光が射すようにチャンスが舞い込んできて希望を掴むと思いきや…そんな上手いハナシがあるわけない。黒魔術による呪いがどこまでも主人公や周囲の人物を蝕んでいく。一体どこに行きつくか最後まで見届けてほしい。なお、主人脳の名前は、マイケル・ジョーダン・ウリリであるが、他のキャラクターにもNBAで活躍した往年の名選手から名前を引用しており、それだけでも、オッと思わせるストーリーテリングが施されている。

- キネ坊主
- 映画ライター
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