カトリック教会の最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇を決める教皇選挙を描いた『教皇選挙』がいよいよ劇場公開!

©2024 Conclave Distribution, LLC.
バチカンのトップ、次期ローマ法王を決める教皇選挙=“コンクラーベ”の、秘密に包まれた舞台裏を描く『教皇選挙』が3月20日(木)より全国の劇場で公開される。
映画『教皇選挙』…
全世界14億人以上の信徒を誇るキリスト教最大の教派であるカトリック教会。その最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙「コンクラーベ」に世界中から100人を超える候補者達が集まり、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の向こうで極秘の投票がスタートする。票が割れる中、水面下でさまざまな陰謀、差別、スキャンダルがうごめいていく。選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿は、バチカンを震撼させるある秘密を知ることとなる。
本作は、第95回アカデミー賞で国際長編映画賞他4部門を受賞した『西部戦線異状なし』のエドワード・ベルガー監督が、ローマ教皇選挙の舞台裏と内幕に迫ったミステリー。ローレンス枢機卿を『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』の名優レイフ・ファインズが演じるほか、『プラダを着た悪魔』のスタンリー・トゥッチ、『スキャンダル』のジョン・リスゴー、『ブルーベルベット』のイザベラ・ロッセリーニらが脇を固める。第97回アカデミー賞で作品、主演男優、助演女優、脚色など計8部門でノミネートされ、脚色賞を受賞した。
©2024 Conclave Distribution, LLC.
映画『教皇選挙』は、3月20日(木)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や心斎橋のkino cinema 心斎橋、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

ローマ教皇が亡くなったことにより、その下に仕える枢機卿達の中から、次なる教皇を決める選挙の様子を描いていく本作。そもそも、近年の映画で描かれるようになった、カトリックの聖職者による児童への性的虐待問題を受け、ローマ教皇はカトリックの改革を断行し続けてきた。そのことを考えると、ローマ教皇の心身への負担は多大なるものであったことが想像できる。されど、改革派の聖職者がいれば、一方では保守的な聖職者がいるのも真実だ。それは、枢機卿においても同様に改革派と保守派が存在している。本作で主人公となる、選挙を執り仕切るローレンス枢機卿は勿論改革派。選挙で保守派の勝利が有力となる事態を決して許すことは出来ない。ならば、ローレンス枢機卿が次なる教皇になればいいのではないか、と思えるが、本人には、神と同様の存在ともいえるローマ教皇が亡くなったことにより、深い悲しみと共に信仰が揺らいでいる状態であるのだ。故に、本当に信頼できる人物に次の教皇になってほしい、と願うばかり。選挙は厳戒態勢下で行われ、投票総数の3分の2以上の得票を得た者が教皇に選ばれる。3分の2以上の得票を得なければ、いつまでも続けられるのだ。まさに票取り合戦が行われ、聖職者でありながら汚い手段も行われる。観る者にとっては、これは意味があるのか、とすら思えてしまう。だが、冷静になって、本作冒頭で映し出される候補者について考えてみると、この人こそがふさわしいと思える方がいるのではないだろうか。されど、最後まで衝撃の展開を見せつけられていく。本当に最後まで観終えた時、本作がアメリカのアカデミー賞で最高賞を受賞する意義が確実にある、と現在は思える作品だと確信できた。さあ、この選挙の行く末を劇場で見届けようではないか。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!