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光の三原色が重なったところに未来や希望がある…『きみの色』鈴川紗由さんと髙石あかりさんと木戸大聖さんと山田尚子監督を迎えティーチイン付き試写会開催!

2024年8月22日

人の感情が色として見えてしまう女の子が、古書店で出会った少女と少年と、音楽で心を通わせる『きみの色』が8月30日(金)より全国の劇場で公開される。8月22日(木)には、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田に鈴川紗由さんと髙石あかりさんと木戸大聖さんと山田尚子監督を迎え、ティーチイン付き試写会が開催された。

 

映画『きみの色』は、『映画 聲の形』「平家物語」等の山田尚子監督が、思春期の少女たちが向き合う自立と葛藤、恋模様を、絵画のような美しい映像でつづったオリジナルアニメーション映画。長崎市内のミッションスクールに通うトツ子は、人の感情が「色」として見える。彼女は友人や家族の色を暗くしないために気を遣い、その場を取り繕うような嘘をついてしまう。そんなある日、トツ子は街の古書店で出会った美しい色を放つ少女きみと、音楽好きの少年ルイと3人でバンドを組むことに。それぞれ悩みを抱える3人は音楽によって心を通わせていき、いつしか友情とほのかな恋のような感情が芽生え始める。トツ子、きみ、ルイの声は、それぞれ鈴川紗由さん、髙石あかりさん、木戸大聖さんと注目の若手俳優たちが担当。3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣さんが務めた。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズの吉田玲子さんが脚本、「チェンソーマン」の牛尾憲輔さんが音楽、『平家物語』『犬王』のサイエンスSARUがアニメーション制作を手がけた。

 

今回、上映後に鈴川紗由さんと髙石あかりさんと木戸大聖さんと山田尚子監督が登壇。4人の中で、鈴川さんと山田監督は関西出身。久しぶりの来阪となった山田監督は、HEP FIVEの観覧車を懐かしんでいた。そして、登壇者の皆がくいだおれ状態となっており、髙石さんは甲賀流のたこ焼きがお気に入りだ。

 

現在、『きみの色』というタイトルにちなんで、16<いろ>都市でキャンペーンに回っており、髙石さんは「聞こえてくる音楽のシーンは、聞いているだけでも感情が甦ってくるような素敵なシーン。皆さんと共有出来ているのが不思議。皆さんに観て頂けているのが嬉しいなぁ」と感慨深げだ。木戸さんも髙石さんの表情から感情を読み取っており、同じように感情が高まっていた。鈴川さんは、歌唱した「水金地火木土天アーメン」のイントロを聞くだけでも緊張気味になりながらも、よく来ていた劇場で流れてることが夢のような気分だ。

 

 

オリジナル作品として本作を手掛けた山田監督。「何もない状態から作品を作るにあたり、一体何を描きたいかなぁ」と心に問いかけ「音楽を奏でる人達の話を書きたい」と構想し、バンドを組む者達を描いた。劇中では3つのオリジナル楽曲が制作されており「作品にとって大切なもの。観て下さる方に好きになってもらえる音楽でありたい。劇中の3人がバンドを組み作った音楽だと納得して頂けるように、プロの人が作ったと思われない音楽を目指しました」と説明。お客さんがどの楽曲がお気に入りであるか気になるようで「反省文~善きもの美しきもの真実なるもの~」「あるく」「水金地火木土天アーメン」の中から挙手を募ってみると、どれも人気だが「水金地火木土天アーメン」が圧倒的の人気だ。

 

 

また『きみの色』というタイトルであることから、山田監督は色には拘っており「主人公の日暮トツ子は人を色で感じながら世界を見ている。この作品にとっての色とは、トツ子が見て感じている色」と述べ「それをどう紐解いていくか。そして、光を描こう」と着想。「3人の色は、光の三原色で構成されています。光の三原色は重なると真っ白くなる。その真っ白くなる部分に3人の未来や希望といった無限のものがある」と感じ「この作品にとっての色は、光を分配していくような感覚がある」といった志向により光を描いていった。

 

 

3人が演じたキャラクター達は高校生ならではの悩みなど様々なものを抱えている。鈴川さんは「トツ子は凄く明るくて、きみちゃんとルイ君をグイグイ引っ張っていくような性格なんです」と紹介し「作中で豚鼻をするシーンでは実際に鼻にティッシュを詰めてみたり、教会で秘密を打ち明けるシーンではアフレコ部屋を暗くして3人が近づいてみたり。初めて声優の仕事をしましたが、アニメ上とリンクさせてアフレコできたので演じやすかった」と印象に残っていた。髙石さんは、アフレコブースが無音であることを話し「空気を吸う音とか聞こえているんじゃないか、と思えるぐらい何の音もない不思議な空間なんです。ふと隣にいる鈴川さんが放つ音が聞こえてくる」と思い返しながら、声優のお仕事ならではの作法を紹介。木戸さんは、アフレコに参加する時の私服に夫々の色があることに注目していた。山田監督もキャストやスタッフが色を意識していることに気づいており、皆の様子に感心するばかりだ。この3人とはオーディションで初めて会ったが「今となっては、あまりにもピッタリと合い過ぎている。役にそっくり。初めて3人が揃った瞬間から空気が出来上がっていた」と驚き「奇跡的な出会いが嬉しかった」と喜んでいる。

 

 

そして、お客様からの質問に応えるティーチインを実施。トツ子自身は何色であるか分からない設定であることから、それぞれにとってのトツ子の色について聞かれ、山田監督は「精神的な捉え方が出来るように色を描いている」と踏まえ、イチゴミルク色を挙げる。鈴川さんは「情熱的でパワフルなイメージがありながら、その中に弱さがあるので、薄めの赤のイメージ」と話す。これを受け、髙石さんは「純粋なので、赤に白を混ぜてピンクになるのかパステルになるか分からない」と挙げながら、白が混ざることを強調。木戸さんも同感した。印象的な演技指導について聞かれ、髙石さんは「アフレコやレコーディングの時に”しっけ”を意識していた。きみを演じる上でも核になった」と振り返る。鈴川さんは「歌詞が思い浮かんだと気にスキップしながらノリノリで歌っているシーンは、どう演じるか迷っていた」と打ち明け「監督からのアドバイスを受け、体当たりで臨んだ。今まであった演技の不安を失くしてくれた。殻を破れた瞬間でした」と印象に残っている。木戸さんは「オーディションの段階で『ゴールデンレトリバーのような』と喩えられていた。大きいけど優しい心を持っている男の子なんだな」と受けとめていた。お気に入りのシーンについて聞かれ、髙石さんは「最後に皆で歌ってかき鳴らすバンドのシーンが凄く好きです。役として歌わせて頂くことも人生の中でもそんなに多くない経験をさせて頂いた。レコーディングで気持ちが入り過ぎて涙が溢れてしまう、凄い体験をさせて頂いた、自分でも思い入れのある3曲です。劇場で素敵な音を楽しみに観て頂きたいと思えるシーン」だと挙げる。鈴川さんは「感情が溢れ出ているシーンが全体的に好き。息をのむぐらい見ないと伝わらない美しさ」だと紹介。木戸さんは「”名前で呼んでいい?”と聞くところが美しい。仲良くなった子の名前を呼ぶことは恥ずかしい」と打ち明ける。山田監督は全てを応援する姿勢であるが「1人のお客さんとして、この映画を全く知らない状態で観たら、トツ子が立った1人でジゼルを踊るシーンを好きになるんじゃないかな」と想像していた。

 

映画『きみの色』は、が8月30日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズミント神戸等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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