2023年7月16日に急逝したジェーン・バーキンを追悼する特集上映「ジェーンB.とアニエスV.~二人の時間、二人の映画。」がいよいよ開催!
©CINE TAMARAS / ReallyLikeFilms
アニエス・ヴァルダが監督を務め、ジェーン・バーキンが出演した2作品を特集する「ジェーンB.とアニエスV.~二人の時間、二人の映画。」が8月23日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『アニエス V.によるジェーン B.』デジタルレストア版は、『5時から7時までのクレオ』『幸福』『冬の旅』など数々の傑作を手がけたヌーヴェルヴァーグ左岸派の巨匠アニエス・ヴァルダが、プライベートでも親交のあったジェーン・バーキンという女性の存在を創造的アプローチで映像化したポートレイト。40歳の誕生日を迎えたバーキンが自身の30歳の誕生日について回想する間、ヴァルダ監督による彼女への尽きることのないイメージがビビッドに展開。その空想は、犯罪映画の妖婦、サイレントシネマの凸凹コンビ、マリリン・モンローのような男たちのファンタジーの対象、メロドラマの恋人たち、西部劇のカラミティ・ジェーン、ターザンとジェーン、ジャンヌ・ダルクへと、バーキンのイメージを自由自在に拡張させていく。その一方で、セルジュ・ゲンズブールや娘たちと過ごす様子などバーキンの日常のスケッチをつづり、彼女の魅力を余すところなく映し出す。ジャン=ピエール・レオ、ラウラ・ベッティ、フィリップ・レオタールが共演している。
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映画『カンフーマスター!』デジタルレストア版は、ヌーヴェルヴァーグ左岸派の巨匠アニエス・ヴァルダが、プライベートでも親交のあったジェーン・バーキンとその家族をキャストに迎えて手がけたラブストーリー。40歳のマリー・ジェーンは娘ルシーが自宅の庭で開いたパーティで、泥酔した娘の同級生ジュリアンを介抱し、まだ15歳の彼に恋愛感情を抱いてしまう。ジュリアンもまたマリー・ジェーンに心ひかれ、2人は微妙な力関係のなかで密会を重ねる。ある日、2人がキスしているところをルシーに見られてしまい…
バーキンの発案にヴァルダ監督が応じる形で実現した企画で、バーキンのパリの自宅とロンドンの実家で撮影。バーキンの次女シャルロット・ゲンズブールがルシー役を務めたほか、三女ルー・ドワイヨン、兄アンドリュー・バーキン、実の両親など家族が総出演し、ジュリアン役にはヴァルダ監督と夫ジャック・ドゥミの息子マチュー・ドゥミを起用。本作の制作の延長上で「アニエス V.によるジェーン B.」が撮影された。タイトルの「カンフーマスター!」は、劇中でジュリアンが夢中になっているゲームの名称。
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特集上映「ジェーンB.とアニエスV.~二人の時間、二人の映画。」は、8月23日(金)より全国の劇場で公開。関西では、8月23日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、8月30日(金)より京都・烏丸の京都シネマや神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
ヌーヴェルヴァーグの中でも、主にドキュメンタリーを出自とする方々を指す左岸派の中でも、近年リヴァイバル公開されている巨匠アニエス・ヴァルダがジェーン・バーキンを撮った作品にスポットをあてた今回の特集上映。『アニエス V.によるジェーン B.』では、アニエス・ヴァルダの”遊び心”のような視点で、様々なジェーン・バーキンの姿を映し出し、彼女の魅力を最大限に表現していく。まるで何本もの短編作品を見せられているようで、ジェーン・バーキンの姿に魅了されていく。その合間には、ジェーン・バーキンの日常をも映し出し、夫や娘らと過ごした時間がどれほど大切なものであったことも伝えられた。シャルロット・ゲンズブールにもどれだけ受け継がれていたのだろうか、と想像せずにはいられない。その中から、1つのプロットから作品として作り上げたのが『カンフーマスター!』。このタイトルは、2人からイメージし難いが、幼きシャルロット・ゲンズブールの友達である少年が夢中になっているゲームの名前が由来。40代の女性と15歳の少年による、禁断でありながらも不思議な関係性を描いており、一層に複雑にもなっていくストーリーテリングが興味深い。家族らが総出演しており、フィクションでありながらドキュメンタリーのようであり、アニエス・ヴァルダの作家性が大いに発揮された作品として仕上がっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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