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瀬川さんは将棋への情熱を抱き続けた稀有な存在…!『泣き虫しょったんの奇跡』公開目前、豊田利晃監督に聞く!

2018年8月31日

現在プロ棋士として活躍する瀬川晶司五段の自伝を基に描く人間ドラマ『泣き虫しょったんの奇跡』が関西含め全国の劇場で9月7日(金)より公開される。公開を目前にした今回、豊田利晃監督にインタビューを行った。

 

映画『泣き虫しょったんの奇跡』は、棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説「」を映画化。おとなしくて何の取り柄もなかった「しょったん」こと瀬川晶司は、将棋で初めて周囲から認められたことをきっかけに棋士の道を目指す。ライバルや師匠との出会いを経て着々と実力をつけた彼は、プロ棋士の登竜門である奨励会に入会。しかし「26歳までに四段昇格できなければ退会」という規定へのプレッシャーに負け、退会を余儀なくされてしまう。大きな挫折を味わい絶望に打ちひしがれる晶司だったが、将棋を愛する気持ちや仲間たちに支えられ、再びプロ棋士を目指すべく立ち上がる…

 

原作小説を映画化するにあたり、豊田監督は「小説には文体があり、時間をかけて読むもの。一つ一つ盛り上がっていく。映画は沸点をどこに持っていくか。盛り上げ過ぎると、つまらなくなり飽きてしまう。観ている側も体力がもたない」と熟考。瀬川さんの長い人生の話であるため「しっかりと客観的に彼の人生を見つめていく視点が欲しかった。一人の人間の話をやりたい。将棋を覚え、プロの世界を目指し、挫折。またプロの世界を目指すという一人の人間の物語をずっと外から見ている視点が良い」と着眼点を置き、暑苦しく泣かせようとする作品にはしなかった。

 

男の哀愁や泣きの世界を豊田監督はこれまで多く描いている。自認しながらも、今作では「将棋の世界を辞めた人間がもう一度見つめ直し、映画作りを学び直そうという気持ちがあった」と謙虚な気持ちで映画全体を撮った。監督自身は18歳で奨励会を辞めたが「将棋への情熱がなくなった。将棋の世界は将棋だけを追い求めていないと勝てない。邪念があると、負けた時に他のせいにしてしまう。将棋が好きでないと身がもたない」と吐露しながらも「瀬川さんは将棋への情熱を抱き続けた稀有な人、凄い人です」と称える。

 

松田龍平さんは、『青い春』『ナイン・ソウルズ』『I’M  FLASH!』に続いて、豊田監督作品に4度目の出演。松田監督は「松田龍平とはずっと仕事をしたいと常に思っている。今作は、35歳でクライマックスを迎える役。龍平は実年齢が今35歳。10代から撮っていて、20代も撮っていたが、30代は撮っていなかった」と気づき、今のタイミングで実際に瀬川さんと龍平を会わせると「瀬川さんの身長が180cmあり、凄く似ていて、ピッタリだ」と直感し、主役に決定した。なお、松田さん以外にも豪華キャストが勢揃いしているが「適材適所に起用した。長い人生の話であるため、脚本の段階で露出が多くなくとも印象に残る良い役者に出演してほしい」とキャスティング。20年間で10作しか撮っていないと謙遜するが「起用したい役者は沢山いる。作品の機会に、もし可能だったら出てもらえないか、とオファーし賛同してくれた」と喜んだ。

(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社

 

今作の音楽は照井利幸さんが担当している。照井さんが最近作っている音楽は、アコースティックギターで同じフレーズをシンコペーションでループしているような音の作り方をしており、豊田監督は「将棋を指す人がずっと練習し学んでいるような姿と重なる」と感じた。原作と脚本を渡して、照井さんが作り出していき「撮影終了後、10数曲送られてきて、僕が編集し様々なシーンには当てていき、やり取りをしながら映像に合わせて作り上げた」と振り返る。映画における音楽は「気持ち良くないと、おもしろくないですからね」と断言した。なお、豊田監督は、勝井祐二さん、中村達也さん、照井利幸さんらとのユニットであるTWIN TAILで音楽活動を行っている(映像担当)。リーダーを務めており「僕が映像を作らないと出来ない。その時間がなかなかなくて…そろそろ、映像を一新したいと思っている。次にやる時はもっと派手にやりたい」と意気込んでいる。TWIN TAILが活動を開始した頃は、映像とロックバンドのセッションは多くなかったが、現在はありふれている状態。監督自身も面白みがないと感じており「2015・2016年の舞台『怪獣の教え』ではTWIN TAILのLIVEの前に役者が演技する。そういう方法は誰もやっていないし誰も出来ない。次のTWIN TAILはこの方法論を突き詰める」と気合を入れている。

 

豊田監督の次回作は『PLANETIST』。2014年から制作を開始し4年間かえて作り上げた大作で「2時間46分もあるので、体感してください」といざなっている。その後の予定は現時点では未定だが「そろそろ50歳なので、人生のまとめ作業に入ってきた。やりたいことをやればいいかな、と思いつつ、ちょっと驚くようなものを考えている。僕に運があれば、また映画を作れる」と未来を見据えていた。

 

映画『泣き虫しょったんの奇跡』は、9月7日(金)より大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田ほか全国ロードショー!

(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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