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1978年にキリスト教民主党の党首で首相経験もあったアルド・モーロが極左武装グループに誘拐された事件の裏側を描く『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』がいよいよ劇場公開!

2024年8月6日

©2022 The Apartment – Kavac Film – Arte France. All Rights Reserved.

 

世界中が注目した1978年のアルド・モーロ誘拐事件を、元首相の救出を指揮した内務大臣や、教皇パウロ6世などの視点から描く『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』が8月9日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』…

1978年3月のある朝、戦後30年にわたりイタリアの政権を握ってきたキリスト教民主党の党首で5度の首相経験を持つアルド・モーロが、極左武装グループ「赤い旅団」に誘拐された。国家を揺るがした55日間の事件の真相を、モーロ本人、彼を父と慕い救出の陣頭指揮を執った内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、モーロと親交の深かった教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ、モーロの妻エレオノーラら事件に関わった人物それぞれの視点から、史実とフィクションを織り交ぜて描き出す。

 

本作は、イタリアの名匠マルコ・ベロッキオ監督が、2003年製作の『夜よ、こんにちは』でも題材にしたアルド・モーロ誘拐事件を再び映画化した人間ドラマ。『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』でも同役を演じたファブリツィオ・ジフーニがアルド・モーロを演じ、『はじまりは5つ星ホテルから』のマルゲリータ・ブイ、『グレート・ビューティー 追憶のローマ』のトニ・セルビッロが共演。イタリア映画祭2023では『夜のロケーション』のタイトルで上映された。

 

©2022 The Apartment – Kavac Film – Arte France. All Rights Reserved.

 

映画『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』は、8月9日(金)より全国の劇場で公開。関西では、8月9日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、8月16日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

『夜よ、こんにちは』では、イタリアの極左テロ組織である「赤い旅団」の視点を以て、アルド・モーロ元首相誘拐暗殺事件を描いたマルコ・ベロッキオ監督。本作においては、アルド・モーロ本人、彼を父と慕い救出の陣頭指揮を執った内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、モーロと親交の深かった教皇パウロ6世、赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ、モーロの妻エレオノーラと一話毎に主人公を変えながら事件を追いかけていき、最終的にアルド・モーロはどのような運命に至ったのか、合計6エピソード340分の規模で大河ドラマの如く丁寧に描いていく。これだけの長さだと途中で観るのも大変になるかと想定していたが、そういったことは一切なかった。それぞれの人物において周囲の人物達との駆け引きがあり、最終的にアルド・モーロの運命にどのような影響を与えていくのか、次の展開が気になって仕方がなくなるおもしろさが持続していくのだ。各エピソードの最後には、事実にフィクションを交えていることが、当たり前のことでありながら説明されていく。そんなことは分かっているが、交えられたフィクションによって本作のおもしろさを実感させられる。日本においては学生運動の一部な過激な思想を持った者が最終的に大規模な事件を起こしていくが、イタリアでも同様の出来事が起きていた。元首相に関する事件が起きた現在の日本において、本作を観る意義を改めて実感させられる…と書いてしまうが、マルコ・ベロッキオ監督の金字塔的傑作と既に呼ばれている本作を観る価値は存分にある、と記したい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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