Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

佐藤愛子さんがヤケクソで始めた連載エッセイで世間への怒りを赤裸々に綴り、世の中を一刀両断していく『九十歳。何がめでたい』がいよいよ劇場公開!

2024年6月18日

©2024『九十歳。何がめでたい』製作委員会

 

数多の文学賞を受賞し、執筆活動から引退していた作家と、エッセイの依頼を持ちこんだ編集者との攻防戦が繰り広げられる『九十歳。何がめでたい』が6月21日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『九十歳。何がめでたい』は、作家の佐藤愛子さんが日々の暮らしと世の中への怒りや戸惑いを独特のユーモアでつづったベストセラーエッセイ集を草笛光子さん主演で映画化。これまで数々の文学賞を受賞してきた作家の佐藤愛子は、90歳を過ぎた現在は断筆宣言して人づきあいも減り、鬱々とした日々を過ごしていた。そんな彼女のもとに、中年の冴えない編集者である吉川がエッセイの執筆依頼を持ち込んでくる。生きづらい世の中への怒りを歯に衣着せぬ物言いでつづったエッセイは思いがけず大反響を呼び、愛子の人生は90歳にして大きく変わり始める。

 

本作では、編集者の吉川を唐沢寿明さん、愛子の娘である響子を真矢ミキさん、孫の桃子を藤間爽子さん、吉川の妻である麻里子を木村多江さん、娘の美優を中島瑠菜さんが演じる。『老後の資金がありません!』等の前田哲監督がメガホンをとり、『水は海に向かって流れる』でも前田監督と組んだ大島里美さんが脚本を担当した。

 

©2024『九十歳。何がめでたい』製作委員会

 

映画『九十歳。何がめでたい』は、6月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema神戸国際等で公開。

高齢者向けの設備が整った施設や介護サービスにあまりお世話になっていない御高齢の方は、本当に元気だと思える方が多々いらっしゃる。頭脳や身体を適度に使っているからこそ衰えないのだろうか。或いは、若い頃に様々な苦労をしたことで、並大抵の困難に対しては平然と対応できるからだろうか。医療技術の発展によって長生きできるようになっただけではないように思える。本作の主人公、作家の佐藤愛子さんは、長年の執筆活動の中で、時には借金返済のため全国のテレビ局に出演することもあったので、一筋縄ではいかない人生ではあった(…と書くと、あなたは何を知っているの!?と言われそうですが)。全国で開催した講演会では、世相の乱れ等を厳しく批判しており、その一貫した視点は本作でも揺るがない。技術発展により世の中が便利で生活は快適になったように思えるが、視点を変えてみれば、誰の視点で世の中が作られ、不便になっている方も存在していることを指摘していく。それは、本作に登場する出版社の編集者のような昭和から平成の時代を汗水たらして働いてきた昔ながらのサラリーマンにも共鳴するようだ。この2人が一緒になって原稿を書くことが出来るなら、おもしろいことになりそうだと思えるし、今回の映画化に繋がっている。佐藤愛子さんご本人も本作を楽しんだろうなぁ、と伝わってくる一作であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts