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滑稽な姿を見せても、恥ずかしい思いをしても、笑われても、好きなものは好き!『おいしい給食 Road to イカメシ』市原隼人さんと綾部真弥監督を迎え舞台挨拶開催!

2024年6月2日

1980年代の中学校を舞台に、給食マニアの教師と生徒とのアレンジバトルを軸に、彼らを取り巻く人間模様を描く『おいしい給食 Road to イカメシ』が全国の劇場で公開中。6月2日(日)には、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマに市原隼人さんと綾部真弥監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『おいしい給食 Road to イカメシ』は、市原隼人さんが主演を務めるコメディドラマ「おいしい給食」の劇場版第3弾。1989年、冬。北の地・函館の忍川中学に転勤した甘利田幸男は、給食で、あるメニューを味わうことを楽しみにしていたが、赴任から1年以上が経っても献立に登場することはなかった。相変わらず給食のために学校へ通う甘利田は、食のライバルでもある生徒・粒来ケンと毎日ひそかにバトルを繰り広げている。一方、新米教師の比留川愛は甘利田に憧れを抱いていた。そんな中、忍川町では町長選挙を前に忍川中学が給食完食のモデル校に選定され、政治利用されようとしていた。不穏な空気を察知した甘利田は、おいしい給食を守るべく立ち上がる。主人公である甘利田役の市原さんやヒロインである愛役の大原優乃さん、甘利田のライバル生徒であるケン役の田澤泰粋さんらテレビ版でおなじみのキャストに加え、甘利田の前に立ちはだかる新たな強敵の等々力町長役で石黒賢さんが新たに参加した。

 

上映前に岩淵規プロデューサーによる司会の下、市原隼人さんと綾部真弥監督が登壇。熱いファンサービスで盛り上がる舞台挨拶が繰り広げられた。

 

今回、事前に本作のXから募った質問に応えていく形式で展開していく。まず給食シーンの拘りについて聞かれ、市原さんは「今回の第3弾では、給食を食べているだけなのに、気がついたら意識が飛んでブラックアウトしていたんです。なんででしょうねぇ…それぐらい無我夢中で…とにかくコンセプトはずっと変わらず。笑わせたいのではなく、笑われたい。滑稽な姿を見せても、恥ずかしい思いをしても、笑われても、好きなものは好き、と胸を張って人生を精一杯謳歌している」と演じた甘利田先生について説くと共に「子どもに対しても負けたら素直に負けたと認める甘利田先生の姿を観て頂いて、毎日楽しんでみようかな、と思って頂けたら嬉しいな。そのために、とにかく振り回されたい、と思いながら今出来る全てを尽くして給食を食べていました」と振り返る。綾部監督は「細かい摺合せは今はほとんどしないで、現場で当日どのようにお互いがやるか。市原君はただ美味しく楽しく食べる瞬間をしっかり撮れれば」と心掛けており「相方の粒来ケンがどういう表情のアレンジをしたら派手に甘利田先生が敗れてくれるか。彼らの芝居を利用して、どうしたら甘利田を相乗効果で盛り上がれるか。そこは、いつも様々な手を考えながらやっているかもしれない」と話す。

 

 

学生時代の忘れられない給食について聞かれ、市原さんは「きなこパンです」と断言。この質問はよく聞かれるようだが「口の周りについたやつをペロッと食べるのが大好きです。僕は給食の為に学校に通っていたといっても過言ではなない少年だったので、ほぼ甘利田だと思っています」と豪語する。続編に登場することへの期待は大きく「きなこパンがあれば僕は幸せです」と楽しみにしており、綾部監督は「きなこパンはやっていないかもしれない。あげパンは何回か出て来ているけど。season1と映画2作目でやっている」と思い返し、検討していくようだ。

 

函館ロケのオフについて聞かれ、市原さんは「是非行って頂きたい。豊かな土地と食に囲まれた函館がなければ、第3弾は生まれませんでしたので」と推し「普段は節制しています。この作品もとにかく動かなきゃいけないので、10Kg落としてからクランクインするんですね。1日だけ移動日で、何でも食べていいチートデイがありました。思い切り北海道を食べ尽くしてやろう、と思い朝早く起きて市場で海鮮丼を食べて、足りずもう一つ海鮮丼を食べて、まだ足りず塩ラーメンを食べて、足りず間にアイスクリームを挟んで、ラッキーピエロを食べて、スープカレーがあったけど食べられず。次は是非スープカレーも食べたいな、と思っています。こんな素敵な場所があるんだ、と思うぐらい食に囲まれていた場所だった」と振り返る。

 

 

ロケ地探しについて聞かれ、綾部監督は「最初に台本ありき。脚本で港や学校と書かれているシーンがある。プロデューサーと共に仕事をする制作部の人達が事前に、函館で廃校になっており使わせてくれる学校や港を2,3ヶ所を見つけてきてくれる。僕等は場所を決めてメインスタッフと共に回っていく。時間帯などの計算をして、ベストなシーンを撮る上で見つけていく」と説明し「時間がかかる作業であり、先に制作部が乗り込んでリサーチして写真確認して、我々が見に行く場所を決めて現地の下準備をして撮影。3,4回行かないと撮影出来ない。スタッフの頑張りがあってこそ一番良い函館の景色が撮れる」とスタッフに感謝を伝えていく。ロケハンについても聞かれ、岩淵プロデューサーは「台本をもらた時、最初に書かれていたビン牛乳がある地域を特定することから始まった。その近くにあった廃校をまず選んでいくことからやっていた」と裏話を披露し「現地の方とは制作部が仲良くなって情報を得ていました。居酒屋でお客さんに聴いたり、フィルムコミッションの方と仲良くなりご飯を食べに行き情報を得たりしていく。地道に皆さんがやっていった。突然決まることはない」と現実的な手法を説明。とはいえ、最近はリクエストを頂くようになり、新たな提案は歓迎しているようだ。

 

アドリブについて聞かれ、市原さんは「給食は8割ぐらいカットされているんで、是非現場に来て頂きたい。そして楽しんで頂きたい」と切望。今作では大原優乃さん演じる比留川先生とのラブシーンあり「『おいしい給食』ならではのロマンスなシーンになっています。気がついたら何故かイナバウアーをしていたんです」と紹介。綾部監督は「一番驚いたのは、酔拳」と挙げ「台本には何も書いてなく、甘利田が酔っ払って立っている、という一文だった。season2は暑かったので、時間がなくテストにいこうとしたら、いきなり市原君がフラフラし出して、プロデューサーや監督が唖然としてしまった」と衝撃的だった。まさに「この形は市原君にしか出来ない。これは面白いんじゃないか。最初はビックリしたけども、こんなの出来る人は他に誰もいない」と絶賛せざるを得ない。

 

season4の構想についても聞かれ、綾部監督は「『Final Battle』『卒業』と”閉店セール”を続けてきた。これでいよいよ『おいしい給食』終わります、のつもりでやってきた」と打ち明け「これで自分達の全力を尽くす。甘利田の言葉にあるように、ただ本気でやれば必ず人の心を打つ。僕自身の信念であるし『おいしい給食』を貫く”どんなことでも本気でやれば、絶対に人の心に届く”とseason1から通してやってきている。何も考えずにseasonを重ねてきた。season5になると市原君が空を飛ぶぐらいにならないと。甘利田のアクションが凄過ぎる。これだけ多くの方に来て頂けると、続きを観たい方がいらっしゃれば考えて頑張ろう」と決意した。そして、抽選で市原さんと綾部監督と記念撮影が出来る時間が設けられ、さらに大いに盛り上がっていく。

 

 

最後に、市原さんは「第3弾が生まれたのは本作を愛して下さったお客様のお気持ちの賜物であります」と感謝の気持ちを伝え「2019年から始まり約5年。最初は続けるつもりが全くなかった。それが熱望頂き、お客様に楽しんで頂きたい思いだけで参りました。コンセプトはseason1から変わらず。滑稽な姿を見せても恥ずかしい思いをしても笑われても何かに振り回されながら必死に人生を楽しもうと生きている甘利田先生を観て頂き、是非皆さんに毎日の活力にして頂きたい。人生もっと楽しんでみようかな、と思って頂けたら幸いだな、と思う気持ちを持ちながら撮影を紡いでいました」と振り返る。1989年を舞台にしている本作について「今日本人が忘れかけているような古き良き心、わびさびというものが沢山入っています。1980年代は顔を合わせながら物事を進めていくことによって、人に見せたくない姿も見えても、相手に対してはチャームポイントになる。そんな人間の隙が好きで、昭和の人間臭さを忘れずに頂けたら」と願うと共に「作品は子供のように大切に育てていきます。ご覧頂いたら、お客様のものとなります。これからも末永く可愛がって頂けたら幸いです」と思いを伝えていく。そして約5年間も続いた本シリーズについて「色んな役をやりながら戻ってくるのは意外と大変なんです。25年弱も役者をやらせて頂いて、ビジネスと夢が混沌とする世界にいます。真っ黒な泥水に手を突っ込んで何としてでも夢を掴んでくるだ、という思いで芝居をしています。それがなしえず叶わないことが多いんです。この作品は、僕にとって真っ直ぐな夢なんです」と率直に話し「皆が愛を持っている。イベントでは家族を連れて来てくれる。そんな作品はなかなかない。全員が主役というテーマがあり、まさに子ども達が主役であります。子ども達が来たくなるような現場づくりを常に心がけています。今回、皆で函館山に登って記念撮影しました。給食が終わってからもずっと食べている。子ども達が一生懸命に奮闘している姿も観て頂けたら幸いです」と皆の頑張りを労っていく。また、主題歌「君の花」の歌詞をなぞりながら「役者人生の中でこんなにピュアな作品に出会うとは思っていませんでした。絶対に誰も裏切りたくない、という思いで作ってきました」と感慨深くなりながらも、season1とseason2の間にコロナ禍によって3ヶ月も何も出来ず悔しかったことを打ち明け「お客様に向けて何らかの支えになれるんじゃないか、と信じてやってきました。とにかく人生を楽しんで頂きたい。撮影の存在意義を改めて見つめ直し、何のためにこの作品をやるべきなのか、もう迷いはなく、純粋にお客様に楽しんで頂く。自分のことよりもお客様のことだけを考えてやる。それは現場の全てのスタッフが同じ気持ちだった。この続編をやることによって役者にとってかけがえのない大切なものを学ばせて頂きました」と存分に気持ちを伝えていく。その後、時間の許す限り市原さんと綾部監督はお客様とのハイタッチをし続け舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『おいしい給食 Road to イカメシ』は、全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のkino cinema神戸国際等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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