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私が演じるのは天命だと信じて取りんだ…!劇場版「鬼平犯科帳 血闘」松本幸四郎さんと市川染五郎さんと中村ゆりさんを迎え舞台挨拶開催!

2024年5月11日

長谷川平蔵の過去と現在を交錯させながら、若かりし頃、ふたつの顔を持つ男の元への密偵を申しでた女性を描く、劇場版「鬼平犯科帳 血闘」が5月10日(金)より全国の劇場で公開。5月11日(土)には、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマに松本幸四郎さんと市川染五郎さんと中村ゆりさんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

劇場版「鬼平犯科帳 血闘」は、これまで幾度も映像化されてきた池波正太郎さんのベストセラー小説『鬼平犯科帳』シリーズを、十代目・松本幸四郎さん主演で新たに映像化する時代劇シリーズの劇場版。2024年1月放送のテレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」に続く本作では、主人公の鬼平こと長谷川平蔵の過去と現在を交錯させながら、それぞれの時代で愛する者を救うため立ち上がる平蔵の熱き姿を描き出す。長谷川平蔵のもとに、彼が若い頃に世話になった居酒屋の娘・おまさが現れ、密偵になりたいと申し出る。平蔵にその願いを断られたおまさは、平蔵が芋酒屋主人と盗賊の2つの顔を持つ鷺原の九平を探していることを知り、独断で調査に乗り出すが…
テレビスペシャルに続いて、若き日の鬼平・長谷川銕三郎を幸四郎さんの実子である八代目・市川染五郎さんが演じた。そのほか平蔵の妻・久栄を仙道敦子さん、密偵・おまさを中村ゆりさんが演じ、劇場版ゲストとして志田未来さん、北村有起哉さん、松本穂香さん、中井貴一さん、柄本明さんが出演した。

 

上映後、松本幸四郎さんと市川染五郎さんと中村ゆりさんが登壇。関西のお客さんならではの熱い想いに圧倒されながらの舞台挨拶が繰り広げられた。

 

大阪松竹座で定期的に公演を行っている松本さんは「劇場での舞台と客席との雰囲気は、東京や京都、名古屋や博多等々と違うところがあります。大阪は、言葉を聞いて頂く場所だな」と感じており「反応がストレート。おもしろい時にはおもしろい、という反応を頂けます。つまらない時はつまらない、という圧を感じます。緊張するところであり、やりがいのある場所でもある」と実感している。昨年7月、市川さんは一ヶ月間の歌舞伎公演で初めて大阪に来ており「ストレートに反応してくださるので、嬉しくもあり、怖くもありました」と思い返す。中村さんは「寝屋川で育った子が女優になれるんやぁ」と感慨深げで「東京に住んでいる方が長いんです、仕事で大阪に帰って来れる時があると、大人になってから見る大阪があり、大阪や関西にしかない距離感や率直さ、人情がある。育って良かったなぁ」と改めて感じている。

 

 

中村さんと共演した松本さんは「素敵な方ですよ。天然さのペースが全くブレずに現場でもずっといたことが凄い」と感心。これを受け、中村さんは「そっくりそのままそのお言葉をお返しします」と反応。改めて、松本さんは「何にも動じず、何にもブレずにずっとこうでしたよ」と表現。中村さんは、松本さんについて「(しっかりした歌舞伎役者という)パブリックイメージよりも、普段はふわふわ系男子。全くこちらが緊張しない空気感を与えてくださる。私はどんどん図々しくなってしまい、近所のお兄ちゃんみたい。それだけ懐が深い」と親近感があった。2人とは異なる時代を演じた市川さんは撮影現場を共にしておらず「父の演じる平蔵の若い頃を自分が演じさせて頂いた。おまさの若い頃は中島瑠菜さんが演じられている。同世代の2人で作った空気感が繋がっていくんだな、と完成した作品を観て不思議な感覚になりました」と振り返る。

 

 

ここで、お客さんからの質問に応える時間が設けられた。まず、殺陣の大変さについて聞かれ、松本さんは「殺陣は『鬼平犯科帳』に挑むにあたって重大なテーマだと思っております。特に『血闘』の殺陣、劇場版ですので大スクリーンで観て頂く中での殺陣は、どれだけスクリーンを埋めることが出来るか」というプレッシャーがあり「殺陣をしている時の気持ちは、1人1人を倒して一歩ずつ進んでいく、おまさに一歩ずつ近づいていくことなので、一つ一つが意味のある手だと思って殺陣をさせて頂きました」と説く。また「時代劇というエンターテインメントですので、リアルにすればいいだけではない。そこは見せる。殺陣師や監督も含め、どうやったら成立できるか、リアルとエンターテインメントのバランスがあり、殺陣も綿密に作られている。見どころになるべく、デコレイトしていく。積み重ねていって演じたので、気持ち良かった」と作り込みを説明し「軽いものをどう重くみせるか。本当に人が斬れているか。どういう思いで斬っているか、ということのみを考えて演じさせて頂いた。殺陣師の清家さんや山下監督にそう観て頂いたことは感謝したい」と振り返った。そんな松本さんの姿を見た中村さんは「凄い格好良かったです。迫力満点で興奮しますよね」と驚いている。市川さんは「銕三郎時代は、刀を差しているのに意地でも刀を抜かない。常に銕三郎は棍棒のような木の棒で戦うんです。銕三郎らしさが出ている部分でもあり、好きなところ。棒の重さは、軽すぎても迫力が出ない。様々なタイプの重さで作って頂き、納得のいくものでやらせて頂いた。自分も拘って作りました」と話す。

 

また、演じた役と自身の似ているところや違いについて聞かれ、松本さんは「長谷川平蔵は、強い男だな、と感じて演じていた。この場面でこのことに直面して、自分だったら立ち止まってしまうんじゃないか、一緒に泣いてしまうな、声をかけてしまうな。あえて声をかけていない、感情を出さない平蔵がいた。そういう風にいられるのは、強い男だな」と改めて感じており「それを演じなければいけない。平蔵の強さを感じました」と身に沁みていた。中村さんは「まささんみたいなクールでミステリアスな人とはかけ離れている。まささんの置かれた境遇の中でも自分の中の尊厳を守り、決してブレないところは共感する一面ではありました」と表す。市川さんは「自分の好きなことに対して熱くなって突っ走ってしまうところは似ているかもしれない。でも、普段はあんなに暴れていません。全体的には、普段の自分とは違う役だったのかな。逆に、それはやりがいがあり、個人的にも骨太な荒々しい役をやるのも観るの好きなので、この役に出会えたのが嬉しい。愛着のある役になっています」とお気に入りだ。

 

 

最後に、松本さんは「『鬼平犯科帳』が新たに始まりました。祖父が初めて長谷川平蔵を務め、叔父が長い間多くの作品をお作りになりました。それを私がやるのは天命だと信じて取り組みさせて頂きました。これだけ様々な見方が出来る映画は『鬼平犯科帳』以外にない。歴史があるだけ、それだけ様々な見方や思いがある作品だと思います。今の時代だからこそ、『鬼平犯科帳』という人間ドラマが必要だと思われる作品作りをスタッフ・キャスト一同が一つになって作り上げることが出来ました。是非とも多くの方々に観て頂きたい。今日ご覧になった方も、長い間この作品を観て頂いた思いが残りますように」とメッセージを送り、舞台挨拶は締め括られた。

 

劇場版「鬼平犯科帳 血闘」が5月10日(金)より全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランドや三宮のkino cinema 神戸国際等で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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