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人と目が合っただけで襲われるサバイバルスリラー『またヴィンセントは襲われる』がいよいよ劇場公開!

2024年5月6日

©2023 – Capricci Production – Bobi Lux – GapBusters – ARTE France Cinema – Auvergne-Rhone-Alpes Cinema – RTBF

 

ある日を境に赤の他人から理由もなく攻撃されるようになった男性が、法則に気づいて命懸けで自衛しようとする『またヴィンセントは襲われる』が5月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『またヴィンセントは襲われる』は、目が合っただけで周囲の人々に襲われるようになった男が生き残りをかけて戦う姿を描くフランス発の不条理サバイバルスリラー。ある日突然、職場のインターン生から暴行を受けたヴィンセント。怪我から回復する間もなく別の同僚にも襲われるが、加害者たちはいずれも襲撃時の記憶を失っていた。その後もヴィンセントに殺意を向けて襲いかかってくる者は後を絶たず、ついには見ず知らずの他人からも命を狙われるようになってしまう。やがて「自分と目線が合った瞬間に人々が襲いかかってくる」という法則に気づいたヴィンセントは、生き残るための自衛を始めるが…

 

本作は、『バック・ノール』のカリム・ルクルーが主演を務め、第56回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞。また、2023年の第76回カンヌ国際映画祭の批評家週間に選出された。

 

©2023 – Capricci Production – Bobi Lux – GapBusters – ARTE France Cinema – Auvergne-Rhone-Alpes Cinema – RTBF

 

映画『またヴィンセントは襲われる』は、5月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

買い物や外食をする時、店員さんに会釈をするように心掛けている。相手の目を見て「ありがとうございます」という気持ちを伝え、お互いに笑顔で別れたい。ちょっとしたことだが、そのコミュニケーションが気持ち良いのだ。「相手の目を見る」行為の後、その人が突然襲い掛かってくるとしたら。憎しみをこめて、確実にこちらを殺す気で。ある日突然そんな事になったら、どれほど恐ろしいだろうか…?という恐怖を描いたのが本作だ。

 

本作は、ゾンビ映画と構造が似ている。街中の人々の様子が一変して他の人を襲い始めてしまう。知人も見知らぬ人も、怪物のように自分の命を奪おうとする。何がきっかけで襲われるか、という条件も薄々と分かってきた。彼らを突き動かすのは、どうやら「怒り」の感情に似ているらしい。これらは、ゾンビ映画の名作『28日後…』を彷彿とさせる。レイジウイルス(レイジ=rageとは激怒や憤怒)と呼ばれるバイオハザードが発生して、不死化した世界中の人々が憎しみながら殺しあう話だった。

 

監督のコメントによれば、本作は迫害や虐待、受難をテーマとしているとのこと。だが、まさにこれは受難の物語だ。この暴力は、決して非現実的でありえないものではなく、むしろ日常で見ているものと同質のものではないか。一見ナンセンスな不条理劇なのだが、現代の紛争や事件が溢れる中に生きていると、あながち絵空事ともいえないところが恐ろしい。いわれのない暴力に襲われることはない、と決して言い切れない我々の不安な気持ちを見透かすような、緊迫感に満ちていた。

 

「目が合った相手にいきなり襲われる」というワンアイディアで逃げ切るのではなく、その先も少し見せようとしているところが示唆的でおもしろく「自分ならどうするか」と考えながら観るのも楽しい。たとえば、サングラスをかけると効果はあるのだろうか?等と考えながら観ていた。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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