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私たちは共通した普遍的な価値観のために戦っている…!『ザ・エクスチェンジ』ボロディミル・ハルチェンコ・クリコフスキー監督に聞く!

2024年3月26日

©LLC “COMPANY “2016”, 2022

 

ロシア・ウクライナ間の捕虜交換の実話に着想を得て、息子を人質に取られた医師が精鋭部隊と最前線へ向かっていく様を描く『ザ・エクスチェンジ』が3月29日(金)より全国の劇場で公開。今回、ボロディミル・ハルチェンコ・クリコフスキー監督へのインタビューが公開された。

 

映画『ザ・エクスチェンジ』は、2014年のロシアによるウクライナ侵攻を舞台に描いたウクライナ発の戦争アクション。両国間で繰り返し行われている捕虜交換などの実話を織り交ぜながら、人質となった息子を助けるべく奔走する父親の奮闘を描く。2014年、キーウで外科医として働くオレクサンドルのもとに、息子コスチャの携帯電話から着信が入る。電話の発信者によると、コスチャは志願兵として軍に入隊したが、「ゴースト」と名乗る元警官に捕えられてしまったという。コスチャを解放するためには、3日後に戦場の最前線で身代金を支払わなければならない。息子を助けたい一心で精鋭部隊とともに戦場へ向かうことを決意するオレクサンドルだったが、そんな彼の前にロシアの冷酷な大佐が立ちはだかる。『ソルジャーズ ヒーロー・ネバー・ダイ』のビチェスラフ・ドブジェンコが父オレクサンドル、『スナイパー コードネーム:レイブン』のエゴール・コズロフが息子コスチャを演じた。

 

☆本作の製作までの経緯を差支え無い範囲で教えて下さい。

この映画は実際の出来事に基づいた物語です。2014年にロシアがウクライナのクリミア、ウクライナ東部の一部を支配した後、親が捕虜となった子どもを自力で解放しようとしたケースは数えきれないほどあります。また、息子が捕虜のまま亡くなったことを知った父親が、ほかの捕虜となった見知らぬ子どもの身代金を払ったというケースもありました。このことは私にとっても、脚本家のヴラド・ドゥドコ(現在ウクライナ軍で武器を手に持ち、ロシアの侵攻から私たち全員を守っている)にとっても忘れがたく、とても記憶に残りました。この物語が『ザ・エクスチェンジ』のベースとなっています。この映画を作りながら、私たちが抱えた問題や困難は、撮影現場から数百キロ離れた最前線で起きていた惨劇に比べれば大したことではないということに気づかされました。

 

☆本作の製作において印象に残っていること、また悩んだことや苦労したことがあれば教えて下さい。

ポストプロダクションの最中がまさに厳しい時期でした。最終的な制作過程にあるなか、VFXプロデューサーと彼の子供たち、妻は、ブチャの占領という事態に巻き込まれました。絶え間ない爆撃と停電によって、本作の完成も妨げられました。

 

☆主演にヴィチェスラフ・ドヴジェンコさんを抜擢した理由を教えて下さい。

ヴィチェスラフ・ドヴジェンコは、ウクライナで最も人気のある俳優の一人です。彼の参加は脚本の段階から計画されており、父親役は彼をイメージして書かれたものでした。

 

☆本作を製作するにあたって、参考にした作品や影響を受けた作品などはありますか?

マイケル・チミノ監督の映画『ディア・ハンター』は、学生時代の私に強烈な印象を残しました。まったく違う映画なのに、なぜかこの脚本を書くときに彼のことをずっと思い出していましたね。

 

☆印象に残っているシーンや、注目してほしいシーンはありますか?

この映画には2つ重要なシーンがあると思っています。映画の名前の由来となっている捕虜交換のシーンと、小屋での手術シーンです。脚本を書く時、この2つのシーンが最初に書かれ、ここを中心に物語全体が構成されました

 

☆最後に、日本で公開されることについてのご感想や、日本の観客の皆さんにメッセージをお願いします。

日本の観客の皆さんには、私たちウクライナ人に起こったような出来事が決して現実では起こらないことを願っています。映画の中だけでこのような物語を観て、体験してほしいと思います。そして、どうかウクライナを応援し続けていただきたいです。私たちは共通した普遍的な価値観のために戦っているので。

 

また、撮影監督のセルヒー・ボルデニュク、ゴースト役のヴラディスラフ・マムチュール、モーツァルト 精鋭部隊の隊長 役を担ったドミトロ・リナルトビッチからのコメントも届いている。

 

 

 

 

映画『ザ・エクスチェンジ』は、3月29日(金)より全国の劇場で公開。関西では、3月30日(土)より神戸・新開地のCinema KOBE、4月6日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開。

 

©LLC “COMPANY “2016”, 2022

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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