東京上空に巨大な宇宙船が突如襲来した世界を舞台にしたディストピア青春日常譚『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』がいよいよ劇場公開!
©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
宇宙から来た巨大母艦が空に浮かぶ東京で、受験勉強に追われながら趣味に興じる女子高校生の日常を描く『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』が3月22日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』は、地球外からの侵略者が日常に溶け込んだ世界で青春を謳歌する少女たちの姿を描いた浅野いにおさんのコミックをアニメーション映画化した2部作の前編。3年前の8月31日、巨大な宇宙船「母艦」が突如として東京に襲来し、世界は終わりを迎えるかに見えた。その後、絶望的な状況は次第に日常に溶け込み、上空に母艦が浮遊する異様な光景が当たり前となっていた。そんな中、女子高生の小山門出と「おんたん」こと中川凰蘭は、担任教師の渡良瀬や仲の良い友人たちとともに何気ない学生生活を送っていたが…
本作では、音楽ユニットYOASOBIのボーカルであるikuraとしても活動するシンガーソングライターの幾田りらさんが門出、歌手やタレントとして若い世代を中心に人気を集めるあのさんがおんたんの声をそれぞれ演じる。『ぼくらのよあけ』の黒川智之さんがアニメーションディレクター、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズの吉田玲子さんがシリーズ構成・脚本を手がけ、『地球外少年少女』のProduction +h.がアニメーション制作を担当した。
©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』は、3月22日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、兵庫・神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランド等で公開。
若者の日常を描きながらも、心の奥底にある闇を広げながら叙情的な描写が特徴的な浅野いにおさんのコミック。『ソラニン』が映像化されて以降、コンスタントに実写映画が製作されてきた。そして、『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』で初めてのアニメーション化。地球外からの侵略者が日常と同居した世界を舞台にしており、ディストピアSF作品としても興味深く、全100話12巻からなるので、前後編になるのも納得だ。8月31日、突如東京都に巨大な空飛ぶ円盤が襲来し世界は滅亡するか、と思うが、迎撃などの攻防が日常化してしまい、きづけば穏やか日々の光景になってしまう。まるで『シン・ゴジラ』で描かれたような日常の延長線上にあるような光景だ。だが、じわじわと日常に”侵略者”のようなものが紛れ込んでいる可能性があるのが恐ろしい。とはいえ、あくまで、本作は異常な日常を過ごしている女子高生の姿を描いていく。幼い頃に嫌な出来事があった中で成長し友情を育んできた小山門出と中川凰蘭。ゆるふわな関係性ではあるが、心の底ではうごめいている感情があり、それが外側に放出された時、観る者のココロを掴む瞬間もあった。そこで終わるのか、と思える前章の結末ではあるが、後章ではどのような展開になってしまうのか気になってしまうだろう。後章の公開は1ヶ月後ろ倒しになってしまったが、今から心して待ちたい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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