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姿を消した妻の故郷で不可思議な事件に遭遇する『海街奇譚』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2024年2月26日

©Ningbo Henbulihai Film Productions/Cinemago

 

姿を消した妻を捜して彼女の故郷・離島の港町を訪れた男が、妻に似た女性と出会い、寂れた町で夢とうつつ、過去と未来をさまよう姿を、海の生物たちを比喩的に使いながら描く『海街奇譚』が3月2日(土)より関西の劇場で公開される。

 

映画『海街奇譚』は、姿を消した妻の故郷を訪れた男が数々の不思議な事件に遭遇する姿を卓越した映像感覚でつづったサスペンス映画。行方のわからなくなった妻を捜すため、彼女の故郷である離島の寂れた港町へやって来た男。海難事故による住民の行方不明が相次ぐその町で、男は妻の面影を持つ女と出会うが…

 

本作が長編デビュー作となる中国の新世代監督チャン・チーが自身の生まれ育った港町をモチーフに、夢と現、過去と現在を彷徨する物語をイマジネーション豊かに描き出す。作中には海の生き物たちをメタファーとしたさまざまな演出が登場する。2019年の第41回モスクワ国際映画祭にて審査員特別賞、第18回イスタンブール国際インディペンデント映画祭にて批評家協会賞を受賞するなど国際的に高く評価された。

 

©Ningbo Henbulihai Film Productions/Cinemago

 

映画『海街奇譚』は、関西では、3月2日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、3月9日(土)より神戸・新開地のCinema KOBE、3月15日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。

ずっと夢か幻覚を見ているような映画だった。海にまつわる印象的なカットが多く、水面に浮かんで揺られながら2時間を過ごすような不思議な満足感が残る。

 

何枚かのアート系のスナップ写真が投影される場面から始まり、そこから写真集のページをめくっていくように、断片的な情景と会話が続いていく。舞台は閑散とした漁村。季節は夏のはずだが、曇天の下に広がる海岸の風景は寒々しい。沖で水死した者を弔っているのか、「海は冷たいぞ」という葬列の声は、むしろ海の底に誘っているかのように不安な気持ちにさせる。

 

映画は終始不思議な雰囲気に満ちており、物語については明確な説明もされないので、理路整然とした展開を追おうとはしないようが良い。これは、ある漁村で起きた事件の話なのかもしれないし、ある男の頭の中の妄想なのかもしれない。

 

そして、これは本作の戸惑いやすいポイントなので事前情報として伝えておきたい。主要人物の3人の女性は同じ人物が演じているので、どれが誰だか見分けがつきにくい。また、メインキャストの朱さんと林先生は役名と演じている人物の名前が同じであるため、より現実と虚構の境目を見失ってしまう。

 

「海洋動物」という原題のとおり、クジラやクラゲの他にも海をモチーフにしたイメージが、建物や部屋のデザイン、ファッションや小物などに散りばめられた映像のビジュアルがとても美しく、私はこの作品のつかみどころのないところも含め、とても気に入った。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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