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演技未経験の“最悪な子供”を配役した映画撮影の内幕を描いた『最悪な子どもたち』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2024年1月9日

©Eric DUMONT – Les Films Velvet

 

フランス北部を舞台にした映画企画を通して交流する子供と大人たちを描く『最悪な子どもたち』が1月12日(金)より関西の劇場で公開される。

 

映画『最悪な子どもたち』は、北フランスを舞台に演技未経験の問題児たちを配役した映画撮影の行方を描き人間ドラマ。フランス北部の荒れた地区を舞台にした映画が企画され、地元の少年少女を集めた公開オーディションが行われた。キャストとして選ばれたのは、異性との噂が絶えないリリや怒りをコントロールできないライアン、心を閉ざしたマイリス、出所したばかりのジェシーの4人で、シナリオは彼ら自身をモデルにした物語だった。波乱に満ちた撮影が始まり、4人は映画の登場人物を演じることで自分自身と向き合っていく。

 

本作は、キャスティングディレクターと演技コーチの経歴を持つリーズ・アコカとロマーヌ・ゲレが長編初監督・脚本を務め、オーディションで数千人の若者と接してきた実体験をもとに撮りあげた。主人公4人を演じるのは、実際に北フランスの撮影地近辺で開かれたオーディションで選ばれた演技未経験の子どもたち。『アイダよ、何処へ?』のヨハン・ヘルデンベルグが劇中の映画監督役を務めた。2022年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリを受賞している。

 

©Eric DUMONT – Les Films Velvet

 

映画『最悪な子どもたち』は、関西では1月12日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。また、神戸・新開地のシネマ神戸でも順次公開予定。

演技未経験の子どもたちをオーディションで募り、実際に演じてもらう役こそが、演技未経験の子ども。そんな子どもたちが1つの作品を作っていく過程を追いかけた本作。メタ構造を以て、これ程までに子どもたちの魅力を引き出せる作品は滅多に無いのではないか。しかも『最悪な子どもたち』というタイトル(英題では「The Worst Ones」である)。そんな子どもたちは、撮影地となった学校や児童養護施設から募っており、自身の境遇と近いところがあったり遠かったりしながらも、それぞれが持つ可能性を発見していくことができ、所謂ワークショップ映画とは違った個性を備えている作品だ。劇中の作品で中心人物となっていくキャラクター達は、どちらかと言えば宜しくない環境で育てられ、周囲から、或いは自らを”最悪”と呼びながらも、素直で優しい一面も覗かせていく。とはいえ、何らかの逆鱗に触れようとするならば、何かが憑依したかのような変化させていく。それは、子どもたちだけではなく、周囲のおとなたちをも豹変させてしまう時もあった。人間は誰しもが最悪な瞬間があると気づくと共に、最良の時間を過ごすことも出来る、とハッとさせられる。最終的には意外にも清々しい気分で本作を観終えられた。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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