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北朝鮮から亡命しようとする人々と彼らに協力するブローカーの姿を捉えた『ビヨンド・ユートピア 脱北』がいよいよ劇場公開!

2024年1月9日

©TGW7N, LLC 2023 All Rights Reserved

 

ある家族が北朝鮮から離れる旅を追ったドキュメンタリー『ビヨンド・ユートピア 脱北』が1月12日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』は、脱北を試みる家族の死と隣り合わせの旅に密着したドキュメンタリー。これまで1000人以上の脱北者を支援してきた韓国のキム・ソンウン牧師は、幼児2人と老婆を含む5人家族の脱北を手伝うことに。キム牧師による指揮の下、各地に身を潜める50人以上のブローカーが連携し、中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して亡命先の韓国を目指す、移動距離1万2000キロメートルにもおよぶ決死の脱出作戦が展開される。

 

本作の撮影は制作陣のほか地下ネットワークの人々によって行われ、一部の詳細は関係者の安全のため伏せられている。世界に北朝鮮の実態と祖国への思いを伝え続ける脱北者の人権活動家イ・ヒョンソをはじめ、数多くの脱北者やその支援者たちも登場。『シティ・オブ・ジョイ 世界を変える真実の声』のマドレーヌ・ギャビンが監督を務めた。2023年サンダンス映画祭にてシークレット作品として上映され、USドキュメンタリー部門の観客賞を受賞。

 

©TGW7N, LLC 2023 All Rights Reserved

 

映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』は、1月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、1月12日(金)より大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。また、1月27日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場でも公開。

ものすごい光景をただ唖然と見ているしかない。強烈な作品だ。

 

北朝鮮から外国へ亡命する人々がいることは知っていた…韓国映画やドラマで描かれる脱北者の姿を見て、ある程度はその実態を認識しているつもりだった。しかし、そんな浅い認識を遥かに超える、絶句するような実体がカメラに収められている。国家の最高指導者の一族は神である、と全土に教育し、幼い子にも公開処刑を見せ、貧困と食糧難の状況を放置し、ごく一部の階層だけが富を独占する。ここまでひどい圧政で、どうしてクーデターが起きないのか?その答えを見せられた。

 

生まれた時から当たり前として育ってきた環境の下、他の世界を知らない状態で「これは何かおかしい」と疑うことはとても難しい。金日成、金正日、金正恩らの一族達が己を神格化する。その稚拙なストーリーが平然と罷り通っている社会のグロテスクな恐ろしさ。「本当は皆が不満や違和感を持っているのに口には出せない」という社会も恐ろしいが、「自身の置かれている状況に対して、本心からは何も疑問に思っていない」というのが実に恐ろしい。

 

本作にインタビューで登場する脱北者イ・ヒョンソは、脱北者として米国のプレゼンテーション「TED」にも出演している。長い逃亡者生活を経て、現在はサバイバーとして人権活動に従事する彼女の壮絶な体験談は聞くべき内容であり、現在の強く明るく新しい人生を歩んでいる姿は本当に素晴らしい。「TED イ・ヒョンソ」で検索すれば公式サイトで無料で見られるので、本作と合わせて鑑賞すると、作品に対する解像度が上がるだろう…

 

冒頭では「再現映像は用いていない」と宣言される。当事者達の目線のみ、まさに命がけの映像だ。近年のドキュメンタリー作品の中でも、トップクラスの見応えがあり、価値ある作品だ。普段はドキュメンタリーにあまり興味がない方も含めて、様々な方にお薦めしたい。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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