ペルーからニューヨークに移住し、不法移民として暮らす一家の物語『ニューヨーク・オールド・アパートメント』がいよいよ劇場公開!
©2020 – Dschoint Ventschr Filmproduktion / SRF Schweizer Radio und Fernsehen / blue
安定した生活を夢見てNYで暮らす不法移民の母と息子たちが、過酷な環境下で生きる意味を見いだしていく『ニューヨーク・オールド・アパートメント』が1月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ニューヨーク・オールド・アパートメント』は、大都会ニューヨークの片隅で懸命に生きる移民家族に訪れた悲劇と成長を優しいまなざしで描いたヒューマンドラマ。安定した生活を求めて祖国ペルーからアメリカへ渡り、ニューヨークで不法移民として暮らすデュラン一家。母ラファエラはウェイトレスの仕事をしながら2人の息子を1人で育て、息子たちも配達員として家計を支えている。街から疎外された自分を“透明人間”だと憂う息子たちは、謎めいた美女クリスティンと出会い恋に落ちる。一方、ラファエラは白人男性からの誘いに乗って飲食店を開業するが…
本作では、2人の息子役にはオーディションで選ばれたペルー出身の双子アドリアーノ&マルチェロ・デュランが抜てきされ、『悲しみのミルク』のマガリ・ソリエルが母ラファエラを演じた。短編『ボン・ボヤージュ』が第89回アカデミー賞短編映画賞にノミネートされたマーク・ウィルキンス監督が、オランダの作家アーノン・グランバーグの小説「De heilige Antonio」を原作に長編初メガホンをとった。
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映画『ニューヨーク・オールド・アパートメント』は、1月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、1月12日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。また、2月16日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋でも公開。
幸せを掴むために祖国のペルーを出て、ニューヨークの片隅で不法移民として暮らす母親と息子2人による家族。母親はウェイトレスとして働くが、キャリアアップにつながることはない。息子達はデリバリーをしながら、移民をターゲットにしながらも、生徒を見下すかのような先生が教える語学学校に通う。明るい未来がどこにあるか分からない中で、母親と息子は異性に惹かれていく。母親は白人男性に誘われるがままに、とある飲食店を開き、息子2人は、謎の美人の魅力に惹き込まれていった…だが、不穏な空気が物語を徐々に包んでいく。一体、何故この異性との出来事が綴られていくのか。中盤からは断片的に語られていき、それぞれの人間関係が複雑さを帯びていく。まさか、こんな物語に転じていくとは予想外だった。されど、皆がどこかで希望の光が射すことに期待しながら生きているように感じてしまう。”透明人間”として扱われ、”過酷”に始まり、”過酷”で終わる物語なのかもしれないが、懸命に生きている者を瑞々しく描いた作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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