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現代のブラジルに生きる17歳のトランスジェンダーを描いた青春ドラマ『私はヴァレンティナ』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2022年4月5日

(C)2020 Campo Cerrado All Rights Reserved.

 

自身のセクシュアリティを隠しながら生活する少女が、不条理な現実に立ち向かう姿を描く『私はヴァレンティナ』が4月8日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『私はヴァレンティナ』は、ブラジルの現在を生きる若きトランスジェンダーの痛みと希望を描いた青春ドラマ。ブラジルの小さな街に引越してきた17歳のヴァレンティナは、出生届の名前ラウルではなく通称名で学校に通う手続きのため、蒸発した父の行方を捜している。新しい友人や生活には慣れてきたものの、自身がトランスジェンダーであることは伏せていた。そんなある日、年越しパーティに参加したヴァレンティナは、見知らぬ男性に襲われてしまう。その事件をきっかけに、SNSでのいじめや匿名の脅迫、暴力沙汰など様々な危険が彼女を襲う。

 

本作で主演を務めたのは、自身もトランスジェンダーである有名YouTuberのティエッサ・ウィンバック。監督は2008年に手がけた短編『秘密の学校』が「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2009」でオーディエンスアワードを受賞したカッシオ・ペレイラ・ドス・サントス。

 

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映画『私はヴァレンティナ』は、関西の劇場では、4月8日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と京都・烏丸御池のアップリンク京都、4月15日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

ブラジルの小さな街に引越してきた17歳の女の子が学校に通うまでを描いた本作。自身がトランスジェンダーであることを伏せながらも、通称名で学校に通うことが、こんなにも大変なことなのか、と憤りを感じてしまう。ブラジルは、LGBTQの権利保障に前向きに動いており同性婚も認められている。しかし、トランスジェンダーの中途退学率は82%、平均寿命は35歳だと本作は説く。本来、周囲にめいわくをかけるようなことは一切なく、自身のアイデンティティを貫きながら、学校生活を送りたい、という望みすら実現できないのか、と悔しくなる。

 

本作の主人公、ヴァレンティナは、社会に対して不満を頂き不機嫌さが伺える女の子。何気ない表情の中には確固たる意思があった。そんな彼女に魅力を感じ親しくなる同世代の若者達。一方で、不可解に感じる要素があれば、学校や街から追い出そうとする者まで表れてしまう。差別していないつもりが翻って差別となり、辛辣な暴力へと繋がっていく。過酷な状況に追い込まれても、揺るぎない意思を示した先に迎えたクライマックスの出来事は胸にグッとくるものがあった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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