スキャンダルで仕事を失った女優とドラマ部志望の若手ディレクターが自らの居場所やルーツを再発見する『女優は泣かない』がいよいよ関西の劇場でも公開！
©2023「女優は泣かない」製作委員会
仕事を失った女優が、ドキュメンタリー撮影で１０年ぶりに帰郷した小さな町で、確執のある家族と再会する『女優は泣かない』が１２月１５日（金）より関西の劇場で公開される。
映画『女優は泣かない』は、崖っぷちの女優と若手ディレクターが厳しい現実に直面しながらも自分の居場所を見いだしていく姿を描いたドラマ。スキャンダルで仕事を失った女優の園田梨枝は、密着ドキュメンタリー撮影のため１０年ぶりに故郷の田舎町に帰って来る。しかし現れたのはテレビ局のバラエティ班ADである瀬野咲だけで、２人の前途多難な撮影が始まる。できるだけこっそりと撮影したい梨枝の気持ちをよそに、小さな町では噂が広まり、撮影のことを内緒で帰郷している彼女の存在が家族の耳にも入ってしまう。かつて父・康夫とケンカした末に町を飛び出した梨枝だったが、父は今、末期がんに冒されており…
本作は、CMディレクターでテレビドラマの監督・脚本も手がける有働佳史さんが長編初監督を務め、自身の故郷である熊本県荒尾市を舞台に撮りあげた。蓮佛美沙子さんが梨枝役で主演を務め、『サマーフィルムにのって』の伊藤万理華さんが咲、『CHAIN チェイン』の上川周作さんが梨枝の同級生でタクシー運転手の拓郎を演じている。
©2023「女優は泣かない」製作委員会
映画『女優は泣かない』は、１２月１５日（金）より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、１２月２３日（土）より、大阪・十三のシアターセブン、１２月２９日（金）より和歌山のジストシネマ和歌山、２０２４年１月５日（金）より神戸・三宮のkino cinēma神戸国際で公開。
スキャンダルで仕事を失った女優が、再起をかけた復帰作として”生まれ故郷で素顔を見せる”密着ドキュメンタリーに出演…実際にそんな番組があったとしたら、本当に熱心なファン達が束になって観なければ、高い視聴率を得られないだろう。しかも、ディレクターを務めるのは、同期がどんどんステップアップしているのを羨ましく眺めながら、希望部署への異動している者。冷静に考えると、”おもしろそうな”番組は期待できない。台本ありきで演出を仕込んだドキュメンタリーは、もはやフェイクドキュメンタリー！？ありきたりな台詞と進行だらけで誰が観たいんだ！？ならば、リアリティを求め、ギリギリ！？いや、アウト！？なラインにまで突っ込んでいく。気づけば、エンターテインメント制作の裏側を通して、自身の居場所やルーツを再発見させようとする展開に興味津々。青春時代から脱出しようとするモラトリアムの中で挫折を経験した者ならば共感できる一面もある。蓮佛美沙子さんと伊藤万理華さんという個性的で魅力的な方々ならでの”女優は泣かない”を見せつけてくれた作品だ。
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- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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