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大阪で続編を作るなら、西成か十三で…『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』伊藤沙莉さんと片山慎三監督を迎え舞台挨拶開催!

2023年7月8日

歌舞伎町を舞台に、探偵を裏家業にしている女性がFBIから謎の依頼を受ける『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』が全国の劇場で公開中。7月8日(土)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に伊藤沙莉さんと片山慎三監督を迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』は、『ミッドナイトスワン』の内田英治監督と『さがす』の片山慎三監督が共同で監督を務め、新宿・歌舞伎町を舞台にブラックユーモアたっぷりに描いた異色の探偵ドラマ。6つのエピソードを両監督が3エピソードずつ演出し、1本の映画として作り上げた。新宿ゴールデン街にある小さなバー「カールモール」を切り盛りするバーテンのマリコには、探偵というもう1つの顔があった。ある日、マリコの前にFBIが現れ、「歌舞伎町に紛れ込んだ宇宙人を探してほしい」と依頼してくる。恋人で自称忍者のMASAYAにも協力してもらい、宇宙人の行方を追うマリコだったが…
主人公のマリコを伊藤沙莉さん、恋人のMASAYAを竹野内豊さんが演じ、北村有起哉さん、宇野祥平さん、アイドルグループ乃木坂46の久保史緒里さんが共演した。

 

上映後、伊藤沙莉さんと片山慎三監督が登壇。和やかな雰囲気の中で舞台挨拶が繰り広げられた。

 

本作の内容と演じる役柄を知った際に、伊藤さんは「マリコの職業的には凄く嬉しい。私は声のことがあり、チーママ感が強い、とずっと言われてきたので、やっとママになれたな」と感慨深いと同時に「探偵という職業も、役として巡り合う機会がそんなに多くない」と演じられる喜びがある。キャラクターの設定についても「チャレンジしているな」と驚くと共に「新たな経験。新境地」と喜んだ。

 

今作を作るきっかけについて、片山監督は「内田監督と『2人でオムニバス形式で物語が出来たら良いね』と話した。リレー方式で監督を増やして作ろうとしていた。皆さんが忙しくて、集まらず2人でやることになった」と明かし「交代でやるのがおもしろい。2人で話を考えていった」と振り返る。通常、映画はプロデューサーが監督に依頼することが多いが「今回は、2人で自由に映画を作ろう」という珍しい経緯だ。2人で作るので、最後をどう締めるか決めておく必要があり「最初に話をした時、歌舞伎町、探偵、伊藤沙莉さんという3つが決まってた。最後はどういう風に締め括ろうか全く考えてなかった。脚本を作る段階で様々な意見を出し合いながら決まっていった」と説く。

 

印象深いキャラクターが沢山登場する本作。伊藤さんは「濃すぎるメンバーですが、殺し屋の姉妹が好きですね。狂ってる。意味不明でおもしろかった。でも、切ないし」とお気に入りを話す。片山監督は「宇宙人を誘拐する博士は好きな役ですね。最後の心境が分かる。僕も同じように行きたいなぁ」と共感していた。プチョン国際ファンタスティック映画祭に正式出品されており、現地から戻ってきたばかり片山監督は「熱心なお客さんばかり。Q&Aで沢山の人に質問してもらい、関心の高さが分かってよかった」と満足している。「この中で演じるとしたら誰?」といった質問を受け「その時、黒いスーツを着ていたので『ヤクザをやりたい』と応えると、ウケてた」と印象深い。なお、伊藤さんは、同じ質問を受けたら、と考えると「やっぱり姉妹。特にお姉ちゃんがやりたい」と応える。

 

好きなシーンについて、伊藤さんは「宇宙人の食事が好きです。ラーメンが食べるの撮り方が大変なんです。熱いラーメンをスタッフさんが籠の下からピッと引っ張っている。偶に箱の中から『熱っ』って聞こえる。アナログなやり方をするなぁ。裏も表もおもしろいシーンだな」と紹介。片山監督は好きなシーンが沢山あり「最後、宇宙人の手の動きが好き。爆笑しちゃったんですよ。CGが盛んな時代にアレをヌケヌケとやる。しかも恥ずかしくもなくやるのがこの映画の良さだな」と却下的に評価している。

 

撮影は、2021年末に新宿歌舞伎町とその周辺で行われており、片山監督は「順調に出来ました」と話しながらも「歌舞伎町は撮影できる範囲が限られている。コアな部分はなかなか撮影出来ない。少し離れた場所やビルの高い場所で撮影している。横浜や都内近郊で撮影して歌舞伎町に見せる」と工夫していた。伊藤さんは「あまり新宿を駆け巡ることはなかった。新宿3丁目にあるラーメン屋の近くで足をつるシーンを撮った。その時は朝帰りの人達とすれ違っていました」と振り返る。歌舞伎町について、伊藤さんは「凄くディープな世界。様々なことが巻き起こってもおかしくない場所。ドラマが沢山ある場所だな。自分もよく呑んでいた。コレ(今作への出演)で更に思い入れの深い場所になりました」と捉えていた。大阪出身の片山監督は「(歌舞伎町を大阪に例えるなら)西成か十三。少し違う感じになる。(大阪で続編を作るなら)どちらかですね」と挙げる。西成や十三について、伊藤さんは行ったことはないが「色々聞きますね。凄く興味はあります、どういう感じなのかな。行ってみたい」と興味津々。今回の来阪に関しては「絶対に串カツは食べたい。(グリコのネオンで)写真を撮りたい。今やっている舞台の人達とグリコやりたい」と意気込んでいる。片山監督は「大東洋のサウナが良いかもしれない。西成もおススメですよ。公園にTVありますからね。今は安全なんで。新世界とか」とおススメしていく。

 

主題歌であるDa-iCEの「ハイボールブギ」について、Da-iCEの工藤 大輝と伊藤さんが一緒にダンスしているMusic Videoがあり「1回目失敗して崩れ落ちてしまった。試しにもう1回やらせてもらった」と告白しながらも「工藤さんが丁寧に踊って下さった。踊っていると凄く楽しい気持ちになってくる。様々な人に踊って頂きたい」とお薦めしていた。作中に登場するバーについて、片山監督は「昔からあるバー。ロケもよく貸し出しされている。ほとんど内装もそのままの場所。もし東京に行かれる人がいらっしゃれば、行ってみるといいかもしれない、映画を観た後だと」と紹介する。カラオケで歌われる楽曲にも凝っており「僕が撮った回であり、僕やスタッフの趣味が入っています。椎名林檎さんは『歌舞伎町の女王』だとベタ過ぎ」と解説する。

 

最後に、片山監督は「上映が始まって1週間が経った頃なので、これからもっと沢山の方に観て頂きたい。おもしろいな、と思ったら宣伝をして頂けると嬉しい」とメッセージ。伊藤さんは「より沢山の方々にドンドンと広まっていったら嬉しいな。この映画を観て、どういう感想が生まれるんだろう、と楽しみにしています」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』は、全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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