隕石が地球に飛来したことから“すべて”が始まるコズミックホラー『宇宙の彼方より』がいよいよ関西の劇場でも公開!
©SPARENTOR, Studio / Produzent / Cinemago
クトゥルフ神話の生みの親ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『宇宙の彼方より』を基に、ベトナム戦時下の1975年を舞台に異常現象と宇宙の恐怖を描く『宇宙の彼方より』が6月10日(土)より関西の劇場でも公開される。
映画『宇宙の彼方より』…
1975年のアーカムで父親の失踪を知ったジョナサン・デイビス。彼の父親の足取りは第2次世界大戦中に駐屯していたドイツ、シュバーベン=フランケン地方の森へと向かっていた。父親はかつて、そこにある村で不可思議な現象を目撃していた。そのすべては宇宙の彼方より飛来した隕石から始まっていた。
本作は、様々な創作物に影響を与え続けている架空神話「クトゥルー神話」の生みの親として知られるH・P・ラブクラフトが1927年に発表した小説「宇宙の彼方の色」を映画化。クトゥルー神話を愛するベトナム系ドイツ人のフアン・ブ監督が、自身の両親が移民を決意したベトナム戦争下の1975年を舞台に、架空都市アーカム、ベトナム戦争下のアメリカ、第2次世界大戦下のドイツで物語が展開するという独自の解釈を盛り込みながら描いた。日本語字幕監修を日本のクトゥルー神話研究の第一人者として知られる作家の森瀬繚さんが担当している。
©SPARENTOR, Studio / Produzent / Cinemago
映画『宇宙の彼方より』は、関西では、6月10日(土)より大阪・十三のシアターセブン、7月1日(土)より神戸・新開地のシネマ神戸で公開。なお、シアターセブンでは、6月9(金)に、青心社×夢人塔特別企画「耳で聽くクトゥルー5」”クトゥルーvs.クトゥルー”と題して、SF作家の浅尾典彦さん出演によるクトゥルー狂言・特別上映×クトゥルー小説・朗読イベント、6月10日(土)には浅尾典彦さんによる映画解説トークイベントを開催。また、シネマ神戸では同じく「宇宙の彼方の色」が原作で2019年公開のニコラス・ケイジ主演作『カラー・アウト・オブ・スペー ス─遭遇─』も同時上映される。
近年、あらゆるジャンルのSF作品の根底にあるとされているH・P・ラブクラフトの小説。本作の原作である「宇宙の彼方の色」は、何度も映像化されており、近年では、ニコラス・ケイジ主演、リチャード・スタンリー監督による『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』が有名だ。どの作品でも、宇宙の彼方からやってきた謎の生命体によって、人間がおかしくなっていく有様は共通している。本作の場合、モノクロ映像を基調にしており、謎の生命体のみが異様な色を以て強調しており、ただならぬ不穏な空気感が漂っていた。この謎の生命体は一体何なのか。本作では、あえて具体的な表現をしていない。露骨に襲われているような表現もしていない。ただならぬ色遣いと共に恐怖と絶望を以て人間に危害を与えている、とも捉えられる。3つの年代を行き来しながら、野心的な作品として存分に楽しめる一作だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!