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大きく変わってしまった日常で、孤独や不安を抱えながらも、ひと筋の光を求めて生きる女たちを描く『ワタシの中の彼女』がいよいよ関西の劇場でも公開!

2023年4月4日

©T-artist

 

コロナ禍での孤独や不安や希望を女性の目線で描いていくオムニバス『ワタシの中の彼女』が4月7日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『ワタシの中の彼女』は、コロナ禍を背景に、孤独や不安を抱えながらも希望を求めて生きる女性たちを描いたオムニバス映画。20年ぶりに連絡を取り合った大学時代の演劇サークル仲間3人がリモートで語り合い、もう1人の仲間に思いを巡らせる「4人のあいだで」、在宅勤務の女性とフードデリバリーでアルバイトする写真家の青年の交流を描く「ワタシを見ている誰か」、2021年に路上生活者の女性が殴られ死亡した実際の事件を基に、20代後半の風俗嬢と60代の路上生活者の出会いを描いた「ゴーストさん」、視覚障害者の40代女性とオレオレ詐欺をたくらむ青年を描く「だましてください、やさしいことばで」の4話で構成。

 

本作では、『夕方のおともだち』の菜葉菜さんが4話全ての主人公を1人で演じ、『親密な他人』の中村真夕さんが監督・脚本を手がけた。

 

©T-artist

 

映画『ワタシの中の彼女』は、関西では、4月7日(金)より京都・九条の京都みなみ会館、4月8日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場や神戸・元町の元町映画館で公開。

コロナ禍を背景に、様々な女性の視点で綴った4話構成のオムニバス作品。

 

「4人のあいだで」は、リモート呑み会を描いているけども、よくあるZoom呑み会ではないのが良い。各々が公園などで佇む姿をバックショットから映し出し、次第に正面に向かい、どのようなツールを使いながら会話しているのか分かっていく。そのカメラワークの秀逸さを感じながら、呑み会には参加していないもう1人に思いを馳せるのが印象的だ。

 

「ワタシを見ている誰か」は、フードデリバリーを題材にしており、最初はコメディタッチにストーリーが展開していく。でも、やっぱり変なストーリーメイキングだと思っていたら、次第にホラー映画のような空気感が。気づけば、フィルム・ノワールになっていた!?あくまでオムニバス作品の1作であるのに、短い中でこれだけのジャンルを詰め込んでいることにも絶してしまう。

 

「ゴーストさん」は、昨年も映画化公開された、あの事件をどうしても想起してしまう。夢を抱いて都会に出てきた女性が様々な境遇に遭いながらも、コロナ禍によって、このような状況に陥ってしまうのか。一体それは何が悪いのか。怒りを表現したくなるだろうが、あくまで本作は女性に対して真摯に向き合っている作品だ。

 

「だましてください、やさしいことばで」は、オレオレ詐欺の受け子である青年と視覚障害者の女性による”対峙”。最初から、オレオレ詐欺であることが女性は分かっていそうであり、危険も感じていただろうが、相手の心理が見えているかのように冷静に接している姿は凛としていた。これこそが、覚悟を体現している、と云えるだろうか。お互いが最終的に下した決断を鑑みるに、強い意志で今後も生きていってほしいと願うばかり。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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