親子の心の距離を描くヒューマンドラマ『The Son／息子』がいよいよ劇場公開！

2023年3月9日

心の病を抱えた息子とその父親の姿を描く『The Son／息子』が３月１７日（金）より全国の劇場で公開される。

家族とともに充実した日々を過ごしていた弁護士ピーターは、前妻ケイトから、彼女のもとで暮らす１７歳の息子ニコラスの様子がおかしいと相談される。ニコラスは心に闇を抱えて絶望の淵におり、ピーターのもとに引っ越したいと懇願する。息子を受け入れて一緒に暮らし始めるピーターだったが、親子の心の距離はなかなか埋まらず…

本作は、初監督作『ファーザー』で第９３回アカデミー脚色賞を受賞した映像作家・劇作家のフロリアン・ゼレール監督が、ヒュー・ジャックマンを主演に迎えたヒューマンドラマ。『ファーザー』に続く「家族３部作」の２作目で、ゼレール監督の戯曲「Le Fils 息子」を原作に親と子の心の距離を描き出す。主演のジャックマンが製作総指揮にも名を連ね、『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーン、『私というパズル』のバネッサ・カービー、『ファーザー』のアンソニー・ホプキンスが共演。２０２２年の第７９回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品された。

映画『The Son／息子』は、３月１７日（金）より全国劇場にて公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のＴＯＨＯシネマズなんば、京都・二条のＴＯＨＯシネマズ二条、兵庫・西宮のＴＯＨＯシネマズ西宮ＯＳや神戸・三宮のkino cinéma神戸国際等で公開。

初監督作でありながら、物凄い傑作『ファーザー』を手掛けたフロリアン・ゼレール監督による「家族３部作」の２作目である本作。ある日突然、鬱病を患った息子に対峙する父親の視点で物語は進んでいく。１７歳の息子であるニコラスが鬱病を患った原因は、父親のピーターが家の中では不在であることから陥ってしまう不安に様々な要因が混ざり込んで生じてしまったようにも窺えるが、作中では明確には描かれていない。あくまで主人公である父親の視点で描かれており、それ以上の視点は推測でしかなく、息子にも分からないのかもしれない。だからこそ、どのように自身の感情を以てどのように行動に起こせば良いのか分からなかったのだろう。故に、専門の病院に診てもらい信頼を以て入院してもらうことも確かな救済策の一つだともいえる。ピーターが選んだ人生の様々な選択肢は誰しもが幸せになるようなものではなかったのかもしれない。ベストではなくベターな方を選んできたのだろうか。最終的に彼が選んだ手段には光ある未来があるかと思えたが、尽く現実を突きつけられてしまう。『ファーザー』に引き続き衝撃的な作品であった。「家族３部作」の３作目になるであろう『マザー』は、どのような衝撃作になっているのか今から楽しみで仕方がない。

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