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理想と現実のギャップに溺れながら社会や自分と向き合う若者達の姿を描く『スクロール』がいよいよ劇場公開!

2023年1月30日

(C)橋爪駿輝/講談社 (C)映画「スクロール」製作委員会

 

厳しい人間社会の中でSNSに思いを吐露したり刹那的に生きていたりする4人の若者たちが、友人の自殺をきっかけに自身を見つめ直していく『スクロール』が2月3日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『スクロール』は、理想と現実のギャップに悩む4人の若者たちが社会や自分自身と必死に向き合う姿をリアルに描く青春群像劇。学生時代の友人である“僕”とユウスケは、友人の森が自殺したことを知る。就職したものの上司からのパワハラに苦しみ、SNSに思いを吐き出すことでどうにか自分を保っている“僕”と、刹那的に生きてきたユウスケは、森の死をきっかけに“生きること”や“愛すること”を見つめ直すように。そんな彼らに、“僕”の書き込みに共鳴し特別な自分になりたいと願う“私”と、ユウスケとの結婚が空虚な心を満たしてくれると信じる菜穂の時間が交錯していく。

 

本作は、北村匠海さんと中川大志さんが主演を務め、小説家・橋爪駿輝の同名デビュー作を映画化した作品。“僕”を北村さん、ユウスケを中川さん、菜穂を松岡茉優さん、“私”を古川琴音さんが演じる。監督は『CUBE 一度入ったら、最後』『その日、カレーライスができるまで』の清水康彦さんが務めた。

 

(C)橋爪駿輝/講談社 (C)映画「スクロール」製作委員会

 

映画『スクロール』は、2月3日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や七条のT・ジョイ京都、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSや神戸・岩屋の109シネマズHAT神戸や三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

社会人になる時に思い描いた未来と、いたたまれない自分のふがいなさを思い知った現実。20代の時に経験した様々な出来事が昨日のように記憶としてよみがえってきた。本作の主人公、僕”のように、当時はmixi日記に思いをつらつらと書いていたっけな。掃き溜めの如く書いていっても、現実は何も変わらない。でも、そんな時に自身をなんらかの形で動かしてくれる友人がいたら、どんな有難かったろうか。本作におけるユウスケがそんな言葉を放つことに大いに驚かされた。チャラチャラと日々を過ごしていそうに見えても、実際は、世の中を刹那的に俯瞰して淡々と生きている。だが、記憶の片隅にいた友人の死が少しずつ確実に波紋を広げていく。そんな状況下、周囲にいる者達とは、一線を画し、ちょっとは違う自分でいたくて、必死にもがいている4人の男女の心情風景を丁寧に描いていた。鈍色の青春を駆け抜けた先に、少しでも光を感じられたら、本作を鑑賞する意義は大いにある、と思える作品である。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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