ハードボイルドの伝統に現代の社会問題へも目を向けたクライムエンタテインメント『終末の探偵』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)2022「終末の探偵」製作委員会
情に脆いがまっすぐな気性の私立探偵が、知人に押し付けられた仕事をきっかけに、裏社会の抗争に巻き込まれていく『終末の探偵』が1月6日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『終末の探偵』は、北村有起哉さんが裏社会を駆けずり回る型破りな私立探偵を演じる、クライムハードボイルド。とある街の喫茶店を事務所代わりに、しがない探偵業を営む新次郎は、闇の賭博場でトラブルを起こしてしまったことから、顔なじみのヤクザである笠原組幹部の恭一から面倒な仕事を押しつけられてしまう。それは笠原組が敵対する中国系マフィア・バレットの関与が疑われる放火事件の調査だった。さらに、新次郎はフィリピン人の両親が強制送還させられた過去を持つミチコから、謎の失踪を遂げた親友のクルド人女性の捜索を依頼される。しかし、2つの事件を追ううちに、裏社会の巨大組織の抗争に巻き込まれてしまう。
本作では、主人公の新次郎役を北村さんが演じるほか、『燃えよ剣』の松角洋平さん、俳優・モデルとして活躍する武イリヤさん、『うみべの女の子』の青木柚さんらが顔をそろえる。監督は『東京失格』『キミサラズ』の井川広太郎さんが務めた。
(C)2022「終末の探偵」製作委員会
映画『終末の探偵』は、関西では1月6日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、1月7日(土)より神戸・新開地のシネマ神戸で公開。なお、関西での公開初日、シネ・リーブル梅田とアップリンク京都に井川広太郎監督と北村有起哉さんを迎え舞台挨拶開催予定。
刑事役やヤクザ役等でニヒルだったり渋かったり、脇を固めてくれる名優、北村有起哉さん。なんと、今回は主演でアウトローな探偵。現代の世相をリアルに反映した本作の設定には興味津々。中国系マフィアに関する報道はちらほらと観るようになったが、それ以外にも、外資系IT企業のテクニカルなコールセンターにはアジア各国の方々が多い由縁はこういうことか、と妙に納得してしまう。さらには、難民問題まで盛り込んでおり、こんな盛り沢山な出来事は現実にはありえないにしても、リアリティあるディテールには感服する。そんな状況下、どぶさらいの如く、裏社会を駆けずり回る型破りな探偵役を北村有起哉さんをユニークに演じ切っていた。令和の今、「濱マイク」のような作品を思い描くなら本作、といったところだろうか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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