川べりの古いアパートに引っ越してきた孤独な男が様々な事情を抱えた住人達と交流する『川っぺりムコリッタ』がいよいよ劇場公開!
(C)2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会
川沿いのおんぼろアパート“ハイツムコリッタ”に引越してきた孤独な青年が、ひょんなことからアパートの住人たちと関わりを持ったことで、自身の人生を見つめ直す姿を描く『川っぺりムコリッタ』が9月16日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『川っぺりムコリッタ』は、孤独な青年がアパートの住人との交流を通して社会との接点を見つけていく姿を描く。北陸の小さな町にある小さな塩辛工場で働き口を見つけた山田は、社長から紹介された古い安アパート「ハイツムコリッタ」で暮らし始める。できるだけ人と関わることなく、ひっそりと生きたいと思っていた山田の静かな日常が、隣の部屋に住む島田が「風呂を貸してほしい」と山田を訪ねてきたことから一変する。山田と島田は、少しずつ友情のようなものが芽生え始め、楽しい日々を送っていた。しかし、山田がこの町にやってきた秘密が、島田に知られてしまい…
本作は、『かもめ食堂』『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子監督が2019年に発表したオリジナル長編小説を、自身の脚本・監督で映画化。松山ケンイチさん主演で山田役を、ムロツヨシさんが島田役で共演。タイトルの「ムコリッタ(牟呼栗多)」は仏教の時間の単位のひとつ(1/30日=48分)を表す仏教用語で、ささやかな幸せ等を意味する。
(C)2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会
映画『川っぺりムコリッタ』は、9月16日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮の kino cinéma神戸国際等で公開。
『バーバー吉野』や『かもめ食堂』といった初期作品の頃から、ゆるやかな空気感の中に確固たる主人公の意思が貫かれている作品を手掛けてきた荻上直子監督。本作では、個性豊かなハイツムコリッタの住民や周囲の人々に影響を受けながら、少しずつ心を開きながら変化していく主人公の山田に惹かれてしまう。作品毎に役が憑依したかのように演じる松山ケンイチさんの演技は安心して観られる。また、ムロツヨシさんが演じた隣人の島田や満島ひかりさんが演じた大家さんが心に秘めているものを次第に打ち明けていく姿にもジーンときてしまう。ファンタジーじみた魅力ある作品の中には、ささやかな幸せを届けてくれる力があった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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