強制収容所で希望を捨てずリングに立ち続けた男の半生に迫る『アウシュヴィッツのチャンピオン』がいよいよ劇場公開！
（C）Iron Films sp. z o.o,TVP S.A,Cavatina GW sp.z o.o, Hardkop sp.z o.o,Moovi sp.z o.o
アウシュヴィッツから生き延びた実在のボクサー、タデウシュ・ピトロシュコスキの半生を基に映画化した人間ドラマ『アウシュヴィッツのチャンピオン』が７月２２日（金）より全国の劇場で公開される。
映画『アウシュヴィッツのチャンピオン』は、ホロコーストを生き延びたボクサー、タデウシュ・“テディ”・ピトロシュコスキの知られざる実話をもとに描いたポーランド発のヒューマンドラマ。第２次世界大戦中の１９４０年。戦前のワルシャワで“テディ”の愛称で親しまれたボクシング・チャンピオンのタデウシュ・ピトロシュコスキは、アウシュビッツ強制収容所に移送される。彼には「７７番」という名が与えられ、左腕には囚人番号の入れ墨が刻まれる。十分な寝床や食事も与えられず、過酷な労働を強いられる日々。そんなある日、テディは司令官や看守たちの娯楽としてリングに立たされることになり…
本作では、『イレブン・ミニッツ』のピョートル・グロバツキが主演を務め、絶望的な状況に置かれながらも不屈の闘志と尊厳を保ち続けたテディの半生を熱演。短編作品『My Pretty Pony』で高く評価されたマチェイ・バルチェフスキが長編初メガホンをとった。
（C）Iron Films sp. z o.o,TVP S.A,Cavatina GW sp.z o.o, Hardkop sp.z o.o,Moovi sp.z o.o
映画『アウシュヴィッツのチャンピオン』は、７月２２日（金）より全国の劇場で公開。関西の劇場では、７月２２日（金）より大阪・梅田のテアトル梅田と京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも順次公開予定。
アウシュビッツ強制収容所に移送されたユダヤ人はほとんどがナチス・ドイツによって殺された、と思っていたが、様々な要因によって生き残った方々がいた。本作の場合、まだ収容所が建てられ、そんなに経っていない頃、ボクシングのチャンピオンであった主人公が目を付けられことが大きい。奴隷的な労働を強いる者と強いられる者による関係性は、決して褒められたものでなく、互いに士気は高まらないだろう。そんな状況下、戦意を高揚させるために、ボクシングのゲームを見せることは一定の効果はあっただろうか。しかし、あくまで軍隊と捕虜による関係である。最適な捕虜がいなくなれば、また次を探せばいい、としか思っていない。そんな関係性がある状況下、対戦相手に勝つために戦うのではなく、生きるために戦った主人公のテディを見ていると、絶望しかない世界を生きていくための過酷さしか感じ得ず胸に迫るものがあった。或いは、何らかの秀でた才能が有れば、いつの時代も生きる術がある、と教えてもらったように感じている。また１人、想像を絶する時代を生きた稀有な人物を教えてもらった。
Related Posts
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします！
