風変わりな少女の行動が周囲の人々を変えていく様子を描く『こちらあみ子』がいよいよ関西の劇場でも公開!
(C)2022「こちらあみ子」フィルムパートナーズ
広島を舞台に、少々風変わりだが純粋な小学5年生あみ子が、その行動で周囲の人々を変えていく様を、少女の無垢な視線で描く『こちらあみ子』が7月15日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『こちらあみ子』…
広島で暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女は、家族を優しく見守る父と、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいる母、一緒に登下校してくれる兄、憧れの存在である同級生の男の子のり君ら、多くの人たちに囲まれて元気に過ごしていた。そんな彼女のあまりにも純粋で素直な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていく。
(C)2022「こちらあみ子」フィルムパートナーズ
本作は、芥川賞作家である今村夏子さんが2010年に発表したデビュー小説を映画化。主人公のあみ子役にはオーディションで選ばれた新星の大沢一菜さんが抜擢され、井浦新さんと尾野真千子さんがあみ子の両親を演じる。大森立嗣監督作などで助監督を務めてきた森井勇佑さんが長編監督デビューを果たし、あみ子の無垢な視線から見える世界をオリジナルシーンを盛り込みながら鮮やかに描き出す。
映画『こちらあみ子』は、関西では、7月15日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や京都・烏丸御池のアップリンク京都、7月16日(土)より神戸・元町の元町映画館等で公開。
ひたすら純粋無垢な女の子、あみ子。嫌味なく純粋に素直な心を以て、周囲にいる子供や大人に良くも悪くも影響を与えていく。ある人にとっては微笑ましくあみ子を眺めているが、ある人によっては、心に傷がついてしまう可能性も無きにしも非ず。そんなあみ子に対して、父は優しく見守りながらも、どうしても厳しくならざるを得なくとも、決して手を上げず、ギリギリのところで突き放すに留まっている。決して理想的な家族を描いている作品ではないが、強く印象にのこってしまう作品だ。
なお、数々の作品にスタッフとして関わってきた森井勇佑さんによる長編監督デビュー作品であるが、画への作り込みには、あみ子の視点を表現しているように感じ取れる。五感を以て閉塞した空間にならないようにしており、あみ子が見ている広い世界を表しているようだ。自身が子供だった頃、こんな風に世界を見ていたのかな…と思わせてくれる作品でもあった。あみ子の将来には希望があることを願ってやまない。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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