ストーリーの展開は分かっているけど、どこに違いがあるか期待しながら観てしまいます…『キャメラを止めるな!』竹原芳子さんに聞く!
『カメラを止めるな!』のフランス版リメイクである『キャメラを止めるな!』が7月15日(金)より全国の劇場で公開される。今回、竹原芳子さんにインタビューを行った。
映画『キャメラを止めるな!』は、低予算ながらブームを巻き起こした2017年製作の日本映画『カメラを止めるな!』を、『アーティスト』でアカデミー賞を受賞したミシェル・アザナビシウスがメガホンをとり、フランスでリメイク。日本で大ヒットした映画「ONE CUT OF THE DEAD」がフランスでリメイクされることになり、30分間生放送のワンカット撮影を依頼された監督。監督志望だが空気の読めない彼の娘と、熱中すると現実とフィクションの区別がつかなくなってしまう妻も加わり、撮影現場は大混乱に陥っていく。全く話の噛み合わない日本人プロデューサーとのバトルも繰り広げられる中、ラストシーンまで完走するべく悪戦苦闘する彼らだったが…
『タイピスト!』のロマン・デュリスが主人公の映画監督、『ある過去の行方』のベレニス・ベジョが妻を演じた。さらにオリジナル版のプロデューサー役で強烈な印象を残した竹原芳子さんも出演している。
フランスで『カメラを止めるな!』がリメイクされることが決まり、オリジナル版の製作会社であるENBUゼミナールの市橋さんから、出演オファーの連絡を受け取った竹原さん。フランスを訪れたことがなく、「行きます!」と即答。日本語でも書いて頂いた台本を受け取った後、昨年5月にロックダウン真只中のフランスに1人で向かった。
現地では、誰が送迎してくれるのか聞いていなかったが「誰かが存在しているだろう」と楽観的な気持ちで到着。1週間の待機期間を経て5日間の撮影に挑んだ。通訳の方を用意して頂いた上で、撮影現場は基本的に日本と同じだ、と実感。大変だとも感じず。ただ、食事が豪華で驚いた。「コース料理で凄く美味しかった。倉庫のような場所でしっかりとセッティングされており、着席したら順に用意されていく。前菜、メインディッシュ、デザート…と5日間毎日ありました」と満足せざるを得ない。
コロナ禍ということもあり、可能な限り少人数のスタッフが参加しており、フランス側の俳優は1人で現場に入っていた。撮影の本番では、都度アドバイスをもらい、演技の強弱を調整しながらも、現場の雰囲気が違うことも感じながら流れるように演じていく。最初の頃は「”大阪のおばあちゃん”をそのまま全開で」と挑んでいたが、オリジナル版とは違い「クールな面も持ち合わせたプロデューサーを」と依頼が。「身のこなしが根本的に違うのか。肩をすくめて、両手の手のひらを上に向けるジェスチャーがなかなか上手くできなかったですね。普段、使い慣れていないので」と苦笑いしながらも「ラストショットの撮影はテイクを数回重ねました」と明かした。
一生懸命に演じていた竹原さんは「演じられたぁ」と実感がなく、日本での試写会で完成版を初めて観ることになり「どんなことになっているんだろう」とドキドキ。オリジナル版でのプロデューサーに厳しめな役柄が加わっており「思いっ切り笑っている演技では、お腹が痛くなる程笑っていましたね」と話す。また、観ている最中には、オリジナル版の映像が頭の片隅に映り「斧を拾うシーン等で言葉の違いがある。所々で瞬時に重なり、面白いですよね。ゾンビの動きやキャラクターの個性や体型が全然違いますよね。監督の苦労加減も違います」と解説。ロケーションも違っており「場所が格段に広いですよね。どこに違いがあるか期待しながら観てしまいますね。展開は分かっているけど、何かが起きそうな雰囲気が音楽によって醸し出されている」とハラハラドキドキしながら鑑賞し「台詞の間の取り方も、何とも云えない間の取り方があり、B級感がおもしろいな」と満足している。
オリジナル版の上田監督からは、試写会後の対談で「日本を背負ってフランスに行っているな」と聞き「えぇ~、そうですかぁ」と謙遜。更に、他の国でのリメイクも楽しみにしており「オファーがあったら嬉しいです。喜んで行きます」と興味津々。「アメリカでのリメイクが面白そうですね。インドも面白そうですね、踊るのは無理ですね。そんなことになったら、どこの国であっても、楽しいですよね。『カメ止め!』の奇跡が続いたら嬉しいですね」と期待している。今後も「声かけて頂いた作品には出演したいですね。今まで自分が想像していない体験をさせて頂いているので、こうだ!と決めないで、頂くものを受けて一生懸命やりたい」と意気込んでおり「キャラクターを活かしたオファーが多い。真逆のキャラクターにも挑戦出来たら良いな」と未来に目を輝かせていた。
映画『キャメラを止めるな!』は、7月15日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema神戸国際等で公開。
- キネ坊主
- 映画ライター
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