千葉県船橋市立船橋高校で受け継がれている応援曲「市船soul」を作曲した浅野大義さんの物語を描く『20歳のソウル』がいよいよ劇場公開!
(C)2022「20歳のソウル」製作委員会
吹奏楽部員だった青年が、野球部の応援曲を作曲し、運動部員や吹奏楽部員たちと共に過ごした青春を描く『20歳のソウル』が5月27日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『20歳のソウル』…
市立船橋高校吹奏楽部でトロンボーンを担当する浅野大義は、活発でやさしく、まっすぐな性格で、顧問である高橋健一先生に大きな影響を受けながら、青春を謳歌していた。大義は野球の強豪校でもある船橋高校野球部のためにオリジナル応援曲の作曲に挑戦し、作曲の難しさに苦心しつつも高橋先生からの叱咤激励もあり「市船soul」が完成する。その曲は試合で演奏されるとたちまち得点を呼ぶ「神応援曲」と呼ばれるようになる。高校を卒業した大義は、高橋先生のような教師を志し音楽大学へ進学する。しかし、そんな大義をがんの病魔が襲う。
本作は、千葉県船橋市立船橋高校に代々受け継がれている応援曲「市船soul」にまつわる実話を、『彼女が好きなものは』などで注目を集める若手俳優の神尾楓珠さんと、日本映画界を代表する名優である佐藤浩市さんの共演で映画化。大義役を神尾さん、高橋役を佐藤さんがそれぞれ演じる。監督は『特命係長 只野仁』シリーズ、『陽はまた昇る』など数多くのドラマを手がけた秋山純さんが務めた。
(C)2022「20歳のソウル」製作委員会
映画『20歳のソウル』は、5月27日(金)より全国の劇場で公開。
市船、と聞くと、高校サッカーが有名なイメージがあった。勿論、体育部・文化部に限らず、全国大会レベルの部活動が幾つもある強豪校ふぁ。本作で描かれる吹奏楽部は、コンクールの常連校であるが、本作で描かれるように、野球部のオリジナル応援曲を手掛け、よさこいのパフォーマンスにも注力している。本作で描かれる吹奏楽部は、まさに青春そのもの。大所帯で構成される吹奏楽部は1人のメンバーが欠けても成立しない。アンサンブルが成立しない日々が続けば、誰しもが葛藤を抱えてしまう。そんな中で思いの丈をぶつけるものがあり、それが大きな力となって、また気持ちが一つになっていく。これぞ、青春映画な1シーンを見せられたら、観る側も気持ちが昂っていく。
そして「市船soul」。応援することが主目的であり、短いフレーズを繰り返しながら、応援する側もされる側も気持ちを昂らせ、勝利に近づけていく応援曲である。類まれなる才能を以て、誰かの勝利に貢献できたなら最高だ。One for All,All for Oneを体現した楽曲である。「市船soul」を作曲した浅野大義さんにとっては、卒業後も奏で続けられたことは感慨深いだろう。されど、そんな彼が病魔に襲われるとは…事実は小説より奇なり、天は二物を与えないのか。最後まで作曲に身を捧げた姿にはグッと胸を掴まれるものがあった。彼のことが忘れられないようにするためにも熱演した神尾楓珠さんの姿が実に印象深い作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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