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老舗出版エージェンシーで作家を夢見る新人アシスタントと上司が信頼関係を築いていく『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』がいよいよ劇場公開!

2022年5月3日

9232-2437 Quebec Inc – Parallel Films (Salinger) Dac (C) 2020 All rights reserved.

 

サリンジャーを担当する出版社の女性エージェントと、ファンレターを処理する編集アシスタントの姿を描く『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』が5月6日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』…

1990年代のニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ・D・サリンジャー担当の女性上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。ジョアンナの業務は世界中から大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターの対応処理。心揺さぶられる手紙を連日読む彼女は、簡素な定型文を返信することに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナは、サリンジャー本人から一本の電話を受けるが…

 

本作は、「ライ麦畑でつかまえて」などで知られるアメリカの小説家J・D・サリンジャーを担当する女性エージェントと新人アシスタントを描いたジョアンナ・ラコフの自叙伝を、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のマーガレット・クアリー、『エイリアン』シリーズの名優シガニー・ウィーバーの共演で映画化。監督は『グッド・ライ いちばん優しい嘘』のフィリップ・ファラルドーが務めた。

 

9232-2437 Quebec Inc – Parallel Films (Salinger) Dac (C) 2020 All rights reserved.

 

映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』は、5月6日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

主演であるマーガレット・クアリーの整った美しい風貌と意志の強い眼差し、そして、清楚でコンサバティブなファッションという出で立ちが醸し出す魅力は、観賞する者を最後まで惹きつける。実に清々しい作品だ。

 

作家志望で「小説を書き、5ヶ国語を話して、旅をしたい。平凡はイヤ。特別になりたかった」と語る主人公のジョアンナ。手を伸ばして支えたくなる程に弱弱しくなく、勝気すぎて鼻につくほど強く存在感をアピールするわけでもない。等身大で感情移入できる。彼女の当たり役と云っていいキャラクターだ。原題の「My Salinger Year」から想像すると、「『ライ麦畑でつかまえて』は私のバイブルなの!」という熱烈なファンなのかと思っていたら…おっ、そうなの!?な設定もユニークである。

 

J.D.サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて(The Catcher in the Rye)」は超が付くほど有名な作品だ。読んだことが無くてもタイトルは知っている、という人も多いだろう。16歳の少年ホールデンのどこか屈折した思いや悩みを描いた青春の物語は熱烈なファンを生んだ。だが、随所で赤裸々な描写のため、米国では一部の図書館で貸し出し不可の禁書となったことでも知られる。つい先日、インターネットを通じて米国のどこからでも借りられるようにする運動が始まった、と報道されたことが記憶に新しい。日本の場合、最近では、アニメ作品『天気の子』の主人公が僅かな荷物の中に『ライ麦畑でつかまえて』の翻訳本を携えていたことが話題になった。とはいえ、本作を鑑賞するにあたり、サリンジャーに関する知識は全く必要はない。むしろ、あまり知らないほうが感情移入できるくらいだ。2020年代を迎えた現代から見れば、少しレトロな雰囲気が漂う1995年のニューヨーク。こうなってくれたらいいな、とほのかに期待していたクロージングによって爽やかに観終えることが出来る快作だ。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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