2013年の超大型台風ハイエンに襲われた直後のフィリピンを描く『Whether the Weather is Fine』(英題)が第17回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映!
2013年の超大型台風ハイエンに襲われたフィリピンを舞台にした『Whether the Weather is Fine』(英題)が第17回大阪アジアン映画祭の特別注視部門で日本初上映された。
映画『Whether the Weather is Fine』(英題)…
2013年、大型台風「ハイエン」が、フィリピンの海岸沿いの町タクロバンを襲った。町は壊滅状態となり、夥しい数の死者と行方不明者が発生する。生き残った人々は神に救いを求め、諍いを起こし、次第に秩序を失っていく。将来の展望が持てずに行き詰まっていたミゲルは大都市マニラへ逃げることを決意し、再び嵐が迫り来る中、母ノーマと愛するアンドレアと共に脱出を試みようとするが、事態は思わぬ方向へ向かい始め…
映画『Whether the Weather is Fine』(英題)は、3月15日(火)16:00よりシネ・リーブル梅田でも上映。また、今後、国内でも劇場公開予定。
2013年11月。超大型台風「ハイエン」がフィリピン中部を直撃した。暴風と高潮などによる死者・行方不明者は6千人を越える。中心気圧895hPa、最大風速65m/s、最大瞬間風速90m/sという規模は、毎年多くの台風に襲われるフィリピンでも過去に例を見ないほどであった…と軽く調べながら思い出しただけでも、想像を絶する台風がフィリピンを襲っていたことが分かる。東日本大震災から2年半後にこういったことが起きていたことを改めて思い出した。奇しくも、3月11日に本作を鑑賞したことに考えさせられるものがある。
壊滅状態の周囲を見て呆然とするしかない者達、神への祈りにかけるしかない者達、具体的なことが見えずとも都市部に行けばどうにかなると思い不確かな情報を手にしてマニラに向かおうとする者達。様々な思いが駆け巡っている町となれば、既に混沌の坩堝へと化してしまっていた。揺るぎないはずであった家族の絆は揺るぎ始めたり、屈折した愛情となってしまったり。家族が行方不明となることで、これほどまでに人間は異常になってしまうのか。されど、どこかに希望があると信じたい。災害を描いた作品として他に類を見ない独特な感情を抱いてしまう作品であった。
- キネ坊主
- 映画ライター
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