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解離性同一性障害によって引き起こされるマシンガントークによる会話劇サスペンス!『B/B』が第16回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で上映!

2021年3月5日

解離性同一性障害をテーマにコミカルな会話劇とともに描いたサスペンス『』が第16回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門で上映された。

 

映画『B/B』は、解離性同一性障害を患うヒロインと、彼女の中に存在する12の人格たちがある惨殺事件を回想する新感覚サスペンス。2020年、担当大臣の汚職による東京オリンピック中止と新興宗教による毒ガス散布未遂事件。2つの大事件の影で起こったコンビニ経営者惨殺事件、通称「イカロス」。被害者の息子・士郎と交流のあった紗凪は、刑事から取り調べを受けることになる。解離性同一性障害を患う彼女と彼女の中に存在する人格たちは、それぞれの視点から回想を始めるが…

 

本作は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020国内コンペティション部門ノミネート作品。中濱宏介監督による大阪芸術大学映像学科卒業制作であり、初長編監督作品。製作・脚本・編集のほか、美術にも自身で携わっている。主演は、磯部鉄平監督の『ミは未来のミ』に出演のカレンさんが務めた。

 

 

映画『B/B』は、3月13日(土)18:40よりABCホールでも上映。

多重人格という言葉は現在では用いられず、解離性同一性障害と定義されている。本作のヒロインである紗凪の中には12の人格があり、それぞれの名前は戦国時代にいた武将の苗字があてられていることが興味深い。コスプレ少女から侍のおじさんまで、年齢も性別も容姿もバラバラな俳優が演じており、これまでありそうでなかった設定だ。紗凪が特徴的なまばたきをするごとに12人がランダムに登場し、絶え間ないマシンガントークを繰り広げていく。また、回想シーンでは、紗凪にしかわからない世界で12人がシチュエーションに応じて6,7人が同時に登場し会話劇を繰り広げる。解離性同一性障害を抱えた人間にとっては世界はこんな風に見えているのか、観れば観るほど作品の世界観に惹き込まれてしまう。

 

なお、本作で描かれているのは2020年の世界。担当大臣の汚職による東京オリンピック中止と新興宗教による毒ガス散布未遂事件。まさに現実の世界で起きたあの事件を想起させる設定だ。しかし、スポットがあてられたのは、社会の陰に隠れていた陰惨な殺人事件。見落とされそうな事件かもしれないが、現代の社会問題が潜んでいたことが明らかになり、マシンガントークとは対照的な声を発せられない痛みや重さが響いてきた。大阪芸術大学映像学科で大森一樹監督の下にて映画演出を学び、卒業制作としてここまでクオリティ高い作品が作られていることに驚いてしまう。今後、劇場公開されてほしい。さらなる新作にも期待してしまうばかりである。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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