高級将校に仕立てた死体に偽の機密文書を持たせ、ナチス打倒の奇策描くスパイサスペンス『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』がいよいよ劇場公開!
(C)Haversack Films Limited 2021
劣勢を覆すため、英国諜報部がヒトラーを騙そうとした奇策に、各国のスパイたちが巻き込まれていく様子を描く『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』が2月18日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』は、第2次世界大戦下で実行された奇想天外な欺瞞作戦の行方を、実話に基づいて描いたスパイサスペンス。1943年。劣勢を強いられる英国軍はイタリア・シチリアの攻略を目指すが、シチリア沿岸はドイツ軍の防備に固められていた。英国諜報部(MI5)は状況を打開するため、驚くべき奇策をチャーチル首相に提案する。「オペレーション・ミンスミート」と命名されたその作戦は、「イギリス軍がギリシャ上陸を計画している」という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙し討ちにするというものだった。作戦はヨーロッパ各国の二重三重スパイたちをも巻き込み、壮大な騙し合いへと発展していく。
本作は、『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督が『英国王のスピーチ』のコリン・ファースを主演に迎え、『プライドと偏見』のマシュー・マクファディン、『ハリー・ポッター』シリーズのジェイソン・アイザックス、ケリー・マクドナルド、ペネロープ・ウィルトンらが共演した。
(C)Haversack Films Limited 2021
映画『オペレーション・ミンスミート -ナチを欺いた死体-』は、2月18日(金)より全国の劇場で公開。
本作は、後の「007」シリーズの原作者となるイアン・フレミング少佐による執筆に伴う語り口で始まる。彼こそが、偽造文書を持たせた死体を海に流す、という奇策を考え出した。「007」シリーズを生み出す才能があるなら、奇想天外な作戦を思いつくことも思わず納得してしまう。「イギリス軍がギリシャ上陸を計画している」という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙し討ちにするという計画。各国の立場によって、真実か定かではない文書に対して如何様にも解釈できるため、幾重ものミッションを課せられたスパイをも翻弄させてしまうのが興味深い。
とはいえ、作りものではなく、実際にあった死体に対して重要な責務が課せられてしまうわけである。遺体となってしまった方の周りにもドラマがあるわけだ。冷静に考えてみると、悲しい出来事だと捉えられるが、これが戦争というものである。ならば、戦後長らく極秘扱いされていたことがより一層に理解できるだろうか。第二次世界大戦に関する様々な出来事を映画で描いてきたイギリスにおいて、「オペレーションミンスミート」が映画化されることは大いに意義深い。驚愕の実話を存分に体感してみることで、戦争の意味を改めて一考してみよう。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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