豊田利晃監督×鼓童×日野浩志郎さんによる音と映像だけで紡がれた『戦慄せしめよ』が関西の劇場でもいよいよ公開!
(C)越島
2021年に創立40周年を迎えた太鼓芸能集団“鼓童”初のドキュメンタリー『戦慄せしめよ』が2月11日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『戦慄せしめよ』は気鋭の現代音楽家である日野浩志郎さんと、佐渡島の「太鼓芸能集団 鼓童」とのコラボレーションを、映画監督の豊田利晃がとらえた映像作品。バンド「goat」および「bonanzas」のプレイヤー兼コンポーザー、ソロプロジェクト「YPY」などでマルチに活躍する日野浩志郎さんと、2021年に創立40周年を迎えた「鼓童」。この両者のコラボレーションが、鼓童メンバーからの一通のメールがきっかけで実現した。日野と鼓動による延べ1ヶ月にも及ぶ制作期間を経て完成した楽曲群を、2020年12月の記録的な豪雪の中、制作の拠点となった鼓童村の稽古場をベースに、全編を佐渡島内で収録、撮影した。新型コロナウイルスの感染拡大が続く情勢下での新しい音楽体験を目指して製作され、セリフが一切なく、音と映像だけで語られる映像作品になっている。
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映画『戦慄せしめよ』は、関西では、2月11日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋(boidsound上映)、2月18日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。また、大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、神戸・元町の元町映画館でも近日公開。
「太鼓芸能集団 鼓童」の映画作品と聞くと、鼓童の前身である「佐渡の國 鬼太鼓座」の作品、加藤泰監督の遺作と云われる『ざ・鬼太鼓座』を思い出す。資料によれば、豊田利晃監督は、『ざ・鬼太鼓座』に誘発された、とのこと。『ざ・鬼太鼓座』は、加藤泰監督が得意とするローアングルとクローズアップによって鬼太鼓座メンバーの若さと情熱がほとばしっている作品であった。本作では、豊田監督が静かな衝動から徐々にエモーショナルに込み上がってくる欲動を写実的に描いた作品となっている。
今回、日野浩志郎さんとコラボレーションすることによって、鼓童が作り出すことが出来る多様な音楽を表現していた。和太鼓を用いた演奏だけでなく、様々な打楽器が用いられている。弦楽器やハンドクラップにまで及んでいた。太鼓を中心とした伝統的な楽器を用いることをベースにして、日野さんと組むことによって、和洋折衷ありとあらゆる要素を取り込んだ現代音楽を作り上げている。俗世間から離れ。佐渡島にある極限的な自然と一体となって唯一無二の音楽が奏でられ、圧倒的な芸術に言葉を失ってしまう。是非とも配信ではなく音響環境が整った劇場で存分に体感してほしい。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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