変わり者の転校生とひとりぼっちの真面目な少女の友情と歌でつながる絆を描く『アイの歌声を聴かせて』がいよいよ劇場公開!
(C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会
抜群の運動神経、天真爛漫な性格で、さらに何かとすぐに歌いだす転校生が周りの人々を少しずつ変えていく様子を映し出す『アイの歌声を聴かせて』が10月29日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『アイの歌声を聴かせて』は、AIロボットとクラスメイトたちのさわやかな友情と絆を描いた群像劇。景部市高等学校に転入してきたシオンは、登校初日、クラスで孤立しているサトミに「私がしあわせにしてあげる!」と話しかけ、ミュージカルさながらに歌い出す。勉強も運動も得意で底抜けの明るさを持つシオンはクラスの人気者になるが、予測不能な行動で周囲を大騒動に巻き込んでしまう。一途にサトミのしあわせを願うシオンの歌声は、孤独だったサトミに変化をもたらし、いつしかクラスメイトたちの心も動かしていく。
本作は、『サカサマのパテマ』『イヴの時間』の吉浦康裕さんが原作・脚本・監督を務めたオリジナル長編アニメーション。声の出演は、不思議な転校生シオンを土屋太鳳さん、クラスメイトのサトミを福原遥さん、サトミの幼なじみで機械マニアのトウマを工藤阿須加さんが担当。『コードギアス』シリーズの大河内一楼が共同脚本、『海辺のエトランゼ」の漫画家である紀伊カンナがキャラクター原案、『とある魔術の禁書目録』シリーズのJ.C.STAFFがアニメーション制作を手がけた。
(C)吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会
映画『アイの歌声を聴かせて』は、10月29日(金)より全国の劇場で公開。
シオンの声を担当している土屋太鳳さんによる劇場内に響き渡る歌声は、あまりにも美しく透き通っている。歌声を聴いている時間は、まさに命の洗濯となった。本編では、日本アニメでは珍しいミュージカルシーンも交えているが、唐突な歌い出しも、シオンのAIという設定が作用し、”ミュージカルシーンは空想上の出来事”という従来のミュージカル映画の概念を超越してみせた。開発段階のAIであるという設定をベースに、シオンは人間との交流を深めながら人間らしく成長していく。映像面で伝わることを除けば、シオンの声を担当する土屋太鳳さんは「シオンは呼吸を学んでいく」とも表現している。AIであるシオンは、呼吸を知らず、サトミや周りの人との関わりによって自然と呼吸を学ぶ、と云えようか。序盤にあるシオンの歌唱シーンでは、歌声がボーカロイド調な部分もあるが、次第に歌い方が人間的になっていく変化がうかがえる。映像やセリフだけで伝わるような目に見えた成長以外にも、シオンという人物に様々な工夫が施されている本作、劇場で鑑賞する際は隅々まで観察して楽しんでほしい。
fromねむひら
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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