風間くんがおバカに!?本格“風”青春学園ミステリーとなった『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』がいよいよ劇場公開!
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021
全寮制のエリート校“私立天下統一カスカベ学園”に体験入学したしんのすけたちが、学園内で起きる怪事件に挑む様を描く『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』が7月30日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』は、人気長寿アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版29作目。シリーズで初めて学園ミステリーの要素を取り入れ、しんのすけたちが体験入学で訪れたエリート学校で、謎の怪事件に巻き込まれていく姿を描く。風間くんの誘いで全寮制の超エリート校「私立天下統一カスカベ学園」(通称:天カス学園)に1週間、体験入学することになったしんのすけたち。体験入学で良い成績を収めれば正式に入学できると聞いた風間くんは、みんなで一緒に天カス学園に入学することを夢見る。しかし、その風間くんが、お尻に奇妙な噛み跡をつけられた姿で倒れているところを発見される事件が発生。さらには、カスカベ防衛隊で一番のエリートのはずの風間くんが、目を覚ますとおバカになっていた。この事件を解決するため、しんのすけたちは、天カス学園の落ちこぼれ生徒会長・阿月チシオとともに「カスカベ探偵倶楽部」を結成。学園内に残されたメッセージと目撃証言から容疑者が浮かび上がるが…
本作の監督は「クレヨンしんちゃん」のテレビシリーズや劇場版を多数手がける高橋渉さん。脚本も同じく「クレヨンしんちゃん」シリーズに多く関わる、うえのきみこさん。小林由美子さん、ならはしみきさん、森川智之さん、こおろぎさとみがキャストに名を連ね、さらに仲里依紗さん、フワちゃん、チョコレートプラネットがゲスト声優として登場。主題歌をマカロニえんぴつが担当している。
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021
映画『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』は、7月30日(金)より全国の劇場で公開。
本作は、「クレヨンしんちゃん」の映画でありながら、学園を舞台にした青春ドラマでありながら、ミステリーでありながら、ディストピアSFでもある。これだけの要素を一作に収めた「クレヨンしんちゃん」には驚かされた。私立天下統一カスカベ学園、通称天カス学園と呼ばれる全寮制の超エリート校、幼稚園児が中学校の体験入学という設定だけでも十分におもしろいが、しっかりと青春ドラマと化していた。憧れのお兄さんやお姉さん、ライバル的な存在である友達…十分に青春である。エリート的存在である風間くんがおばかになってしまった謎を解くミステリーも「クレヨンしんちゃん」ならではの展開。そして、AIによって評価が管理された学園生活。AIに任せていれば管理は簡単…なはずがない。学習機能がしっかりと働いていれば、一歩間違えれば、簡単に人工知能に騙されてしまう。AIの反乱が起こり得る世界である…あれ、どこかの国のディストピアSFで観たような世界観だ。冷静になろう、あくまでこれは「クレヨンしんちゃん」だ。
もちろん「クレヨンしんちゃん」の世界観は健在だ。登場するキャラクターの名前は、ナンセンスなギャグがたっぷりと込められており、クスッと笑ってしまう。名付けられたキャラクター本人は嫌がることはないのか??と考えることは、もはや不毛な議論である。最終的にしっかりとした「クレヨンしんちゃん」ならではの青春映画となっており、グッとくるものがある。幼稚園児にして自らのアイデンティティを分かったうえでアクションしていく。大人が観ても存分に楽しめる一作となっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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